昭博政権による内需政策の失敗は、食料品等輸入が拡大している韓国にあり、輸出企業用のウォン安政策により、輸入依存度が高くなってきている食料品や燃料が高くなり、国民支出を大きく後退させるものとなっている。
機械類や半導体・電子部品等の工業製品の輸入は、付加価値を付け輸出されることから、韓国経済にとってそれほど問題とはならないが、内需依存して留まる穀物などの食料品や燃料の輸入品は価格が高くなり生活を直撃する。景気がよければそれでも収入増により問題とならないが、一端景気が後退し始めると国民の生活を直撃する。現在そうした弊害が韓国国民を襲っている。

韓国中銀は７月３年ぶりに政策金利を3.25%から3.0％に落としたが、経済回復への足取りは重く、１０月１１日更に25ｂｐ（ﾍﾞｰｼｯｸﾎﾟｲﾝﾄ）落とし、2.75%とした。(景気急悪化を受け9月上旬にも下げるべきだとの大勢の専門家の指摘もなされていた)
また、2012年のＧＤＰ成長率もこれまでの3％から、2.4％に大幅下方修正した。昭博政権の政策は、一時は韓国経済を押し上げ、経済をバブル化させ、外貨準備高も大きく増加させてきたが、今では国内不動産バブルも崩壊し、輸出相手国経済の景気に左右される虚弱体質を露見させている。

今後、韓国はウォン安政策を切り替え、内需主導型経済に変更する必要があるが、経済悪化の指標ではウォン安を招き、基準金利を下げてもウォンは更に安くなる。食料品はしかることながら、石油や石油製品は、燃料のほか内需製品に加工され、計り知れない影響が出てくる。
韓国は、資本も経済も外資・外需依存型で、ハゲタカの餌食にもなりやすく、次期政権は大変な苦労をさせられる恐れが高くなっている。