アイコン 韓国経済の悲鳴 造船・建設・・・広がる不況の波

現代重工業が、50歳以上の管理職を対象に希望退職を募集することを決めた。同社が希望退職を募集するのは、1973年の創立以来、初めてのこと。
同社は、今年9月までの受注量が82億ドル(約6500億円)で、目標のわずか34%にすぎない。これは同社だけの問題ではなく、造船業界全体が最悪の不況に見舞われていることを意味する。
 現代重工業は、世界1位の造船メーカーで、ポスコは世界の鉄鋼業界で粗鋼生産能力4位、競争力は1位と評されているが、このような超優良企業でも最近は不況で大きなダメージを受けている。

つまり、今回の不況はそれほど深刻な状況にある。そのため、中小の造船メーカーが集まる南海岸エリアでは、多くの工場で船舶製造用のドックがさびたまま放置されており、工場周辺の飲食店も次々と廃業するなど、地方の経済全体が崩壊している。

建設業界は、さらに以前から不況の影響を受けている。韓国の100大建設会社のうち21社は、すでに法定管理(日本の会社更生法)や外部による経営再建(ワークアウト)が始まっている。
 企業の設備投資を見ると、今年は4-6月期と7-9月期の2期連続で前年を下回った。

希望退職の募集を行っている企業も、ルノーサムスン、韓国GM、GSカルテックス、大韓航空、NCソフトなど、大手の間でも急速に増加している。証券会社や資産運用会社といった金融機関も店舗の閉鎖やリストラを加速させており、すでに資金難に陥っている中堅グループのリストは関係者の間で広まっている。
このままではアジア通貨危機当時のように、あらゆる業種で厳しい構造改革に取り組まざるを得なくなるだろう。これは経営者も従業員も等しく感じているところだ。
 
ところが12月行なわれる大統領候補たちは、誰も不況対策について明言していない。今年よりも来年の経済見通しはさらに暗く、韓国経済が長期の不況に陥るとの警告もさまざまな方面から出ているが、大統領候補はばら色の公約しか口にしない。
12月の選挙で勝利した当選者が、最初に取り組むべき課題は不況対策のはずだが、大統領候補たちはこのことを知らないのだろうか。
本当にそうなら、それこそまさしく危機への不感症で、知っていながらあえて顔を背け、甘い公約ばかり口にしているのなら、これは国民に対する悪質な詐欺だ。
以上、朝鮮日報の経済記者が現実の韓国経済について警鐘を鳴らしている。

韓国経済は、リーマン・ショックにより経済が低迷するどころか、中国景気に沸き、不動産バブルを生じさせてきた。しかし、結果、今になって大きな試練の時を迎えている。ただ、庶民の生活はリーマン・ショックで落ち込んだものの、サムスンや現代自動車など巨大輸出企業などが韓国経済指数を大きく押し上げ、活況に満ちている構図を作り上げてきた。また、そうした大企業に勤める人を中心に土地バブルも生じた。
しかし、今や中国経済が低迷した途端、サムスンと現代自動車を除き、大きく後退局面にあり、苦境に立たされている企業も多くなっている。貧富の差も急激に深刻さを増しており、特に若い人の失業問題は日本以上に社会問題化する可能性が高い。

韓国や中国は国民性から日本人以上にバブル化しやすい体質を持っているようだ。その祭りの後の寂しさが今の韓国ににじり寄ってきている。

[ 2012年10月25日 ]
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