クロマグロ養殖 稚魚乱獲で規模拡大禁止 ダントツの長崎/農水省
農水省は26日、クロマグロの天然稚魚を保護するため、漁業法に基づきクロマグロの養殖場の新設やいけすの規模拡大を禁止する指示を、海に面した39都道府県に出した。
農相の指示は、養殖用の天然稚魚を2011年より増やさないよう各都道府県に義務づけ、新たな養殖場の設置や養殖場の拡大を認めないよう求めたもの。
クロマグロの養殖は急拡大しており、2011年の養殖生産量は前年比4割増の9千トンで国内消費量の4分の1を占める。11年に養殖場に投入された稚魚約67万6千匹のうち、人工ふ化の稚魚は約2割しかない。養殖用の天然稚魚の乱獲が漁業資源の枯渇につながるとの批判が出ていた。
世界の天然クロマグロの漁獲量は、1955年には7.8万トンあったが、乱獲で減り続け、地中海マグロの漁獲禁止や世界でも漁獲制限が設けられたことから、2009年には4万トンまで減少していた。
人工ふ化の稚魚は、豊田通商と人工ふ化に成功した近大と組み商業化している。
各地の漁業者からは、マグロの養殖場をこれ以上増やせば、餌となる小魚の乱獲で、二次資源枯渇問題が既に発生してきており、水産庁より拘束力がより強い大臣名で通達を出したものである。
同省は、計画の円滑な実施を促進するため、漁業所得補償制度等の支援措置の導入を検討する。
(a)沖合漁業管理:大中型まき網漁業を対象として、休漁、漁獲サイズの制限、個別漁獲割当等、漁業実態に応じた適切な管理措置を導入する。
(b)沿岸漁業管理:曳き縄等の自由漁業を対象として、将来の隻数制限を視野に入れ、届出制に移行するとともに、漁獲実績報告の提出を義務化する。
(c)養殖業管理:養殖の実態について正確な把握を図るため、漁業権の漁業種類を「クロマグロ養殖」と特定して養殖場を登録するとともに、養殖業者に対して養殖実績報告の提出を義務化する。
漁業資源には限界があり、何でも自然とのバランスが必要だ。長期的に見れば、自らの首を絞めることになる。
鹿児島県のマルハニチロが天然稚魚養殖の商業化に成功、それを真似た金子漁業グループが地元長崎で養殖場を作り拡大させてきた。最近では、マルハニチロが和歌山県に同社最大規模の養殖場を開設している。養殖クロマグロ(本マグロ)は糖尿病状態で、牛でいう霜降り、マグロでいうトロ部分が多く、寿司屋さんが天然物より安く手に入り、トロ部分が多いことから、非常に喜んで購入している。
マグロより餌となる小魚の乱獲が大変心配だ。バブル当時より大幅に釣り人が少ないにもかかわらず魚が釣れなくなった。
全国のクロマグロ養殖場 2011
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長崎県
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56
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鹿児島県
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21
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三重県
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10
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和歌山県
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8
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愛媛県
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15
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高知県
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7
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大分県
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8
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熊本県
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5
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佐賀県
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1
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山口県
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1
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島根県
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1
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京都府
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2
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石川県
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1
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沖縄県
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1
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合計養殖場数
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137
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