東京電力/中間期 約3千億円の赤字 通期は▲451億円赤字
同社の中間期の業績は、値上げ効果からか前年同期比14.9%増加している。最終利益は賠償見積り額の積み増しで2,358億69百万円を計上し、▲2,994億83百万円となっている。
同社は7月31日に1兆円の優先株増資を行い、資本金に半分組み入れ資本金は1兆4,009億75百万円となっている。また資本剰余金も5千万円増加し7,436億26百万円となっている。
賠償見積り額は、2兆8,807億99百万円となっている。法律の規定による補償金1,200億円を受け入れ、2兆7,607億99百万円、前期の計上額2兆5,249億30百万円との差引き2,358億69百万円を今中間期の損益に計上している。
また、特別利益計上として、固定資産売却益275億円、有価証券売却の差引利益90億円、退職給付金改定利益736億円を計上している。
通期予想では、電力販売量が1.7%増加して2,727億KWhとなり値上げもあり、売上高は、単独では前期比14.0%増の5兆8,250億円、連結では同12.6%増の6兆250億円と見ている。賠償関係は、原発賠償機構より5,450億円が入金予定であり、賠償費支払は2,350億円を見込んでいる。
同社の原価見積もりは1バーレル112ドル(全日本CIF)としているが、欧州・中国経済の低迷から現在86ドル前後で推移しており、高く見積もりすぎの感がある。また、も一つの大きな燃料の天然ガスの調達価格は、米国におけるシェールガス開発で原油価格との連動が既になくなっているが同社は掲載していない。
<カタール産天然ガスの異常>
カタールの天然ガスは、原発爆発見舞いのジャパンプレミアム価格が採用され、通常日本の調達価格16ドルが18ドルと高く買わされている。(因みに、中国や欧州がパイプラインでロシアのシベリアから送られ購入している価格は10ドル前後(ロイター記事)である。
これまで電力会社やガス会社は、政府お墨付きで高く買っても消費者価格を上げて、利益を取れることから、安く購入する努力のカケラもなかった。高く購入するのは安定供給を受けるためとしているが、欧中より5割以上も高い価格で購入して、言い訳が安定供給とは、中国人・欧州人の爪の垢でも煎じて飲むがよかろう)
日本が天然ガスをカタールから大量に購入しているのは、米国の戦略であり、それは、エクソン・モービル(米)+ロイヤル・ダッ チ・シェル(英・蘭)+コノコフィリップス(米)が巨額を投じて天然ガス田を新たに開発しており、日本はその投資回収で、高値で買わせられているのが実情だ。当のアメリカは自国でシェールガスが開発され、カタール産天然ガスの購入予定量を大幅に引き下げており、日本が購入しても、ガス田の産出予定量を大幅に調整しているのが実情。これまでにロシアから海底パイプラインを敷設して購入していれば、10ドル前後で購入できていたものだ。日本の国際政治の貧困は、アメリカからおもちゃにされているようだ。・・・以上の見解の基本的事項はロイター記事にある。
連結/百万円
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売上高
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営業利益
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経常利益
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当期利益
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12年3月期第2四半期
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2,502,752
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-60,600
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-105,748
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-627,299
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13年3月期第2四半期
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2,875,903
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-104,589
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-166,266
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-299,483
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前年同期比
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114.9%
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13年3月期予想
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6,025,000
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-225,000
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-335,000
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-45,000
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12年3月期実績
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5,349,445
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-272,513
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-400,405
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-781,641
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11年3月期実績
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5,368,536
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399,624
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317,696
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-1,247,348
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10年3月期実績
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5,016,257
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284,443
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204,340
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133,775
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13期予想/12期比
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112.6%
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13年3月期第2四半期
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総資産
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純資産
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自己資本
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自己資本率
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15,503,620
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1,511,351
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1,486,236
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9.6%
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