アイコン フジタ/中流動覆工コンクリートを中部地整管内のトンネル工事で適用

中流動覆工コンクリートの適用により品質・耐久性向上
 フジタ(今では大和ハウス工業の完全子会社)は、国交省中部地整発注の道路トンネル工事において、中流動覆工コンクリートを中部地方整備局管内で初めて適用(一部で試験的に実施)した。
 近年では、トンネル内の覆工コンクリートの高耐久化と高品質化のニーズが高まっており、これまでよりも流動性が高く、狭い型枠内への充填性が良好なコストを抑えた中流動コンクリートの開発が進められている。

このような背景から、フジタでは流動性を有するだけでなく、優れた分離抵抗性の確保とブリーディング水(練った後の上水)の制御に主眼をおいた中流動コンクリートの開発を行ってきた。
今回、これまで高密度配筋の構造物への適用実績で培ってきたノウハウを、覆工コンクリート向けに改良したもの。今回適用した中流動覆工コンクリートは、現場で混和剤を添加して製造する点が特徴で、高い流動性と施工性に優れるだけでなく、ブリーディング水を制御しているため、特に覆工の最上部(天端部)において高い充填性を確保でき、硬化後の品質・耐久性が向上することを確認した。

今後は、品質の向上がみられた有筋区間や天端部の施工において、中流動コンクリートの採用を進めていく予定。また、高い耐久性が望まれる構造物に中流動コンクリートを積極的に適用し、より品質の高い施工を目指す。

(普通コンクリートより品質がよく、価格が高く高品質の高流動コンクリートの品質を得る中流動覆工コンクリートでの施工・・・竹本油脂製の混和材と振動による充填)

<神ノ郷トンネル工事概要>
 工事名称:平成21年度 23号蒲郡BP神ノ郷トンネル工事
 工事場所:愛知県蒲郡市柏原町
 発注者:国土交通省中部地方整備局
 施工者:株式会社フジタ
 工  期:2010年03月11日~2012年10月03日
 工事概要:工事延長L=633m(トンネル延長L=373.0m,内空断面積62.6m2)


<参考・解説資料>
覆工コンクリートは、トンネルの安定を確保する重要な構造体であるとともに、トンネル内の架線・照明・換気等の施設を保持し、点検・保守等の作業性を高める機能を有している。覆工は、地山と覆工型枠に挟まれた狭い空間にアーチ状の薄いコンクリート構造体をトンネル内空側から形成する構造であるため、コンクリートの打込みや締固め等の施工が難しい工種となっている。
近年では、覆工コンクリートの高耐久化と高品質化のニーズが高まっており、施工性の向上、狭い型枠内への充填性の向上を目的として、これまでの覆工コンクリートよりも流動性の高い中流動コンクリートの開発が進められている。
中流動コンクリートの特徴,利点としては下記があげられる。
①普通コンクリートよりも充填性に優れるため、均一なコンクリートとなり、耐久性の向上、ひび割れ抵抗性が高まる。
②高流動コンクリートのように型枠の大規模な補強を必要としない。
③振動締固め機を併用することで高流動コンクリートと同等の高い流動性と充填性が得られ,ジャンカや充填不足といった初期欠陥の発生を大幅に低減できる。
④普通コンクリートよりも材料分離抵抗性に優れ,ブリーディングが少ない。
⑤普通コンクリートと大きく配合が異なることはなく,同等の強度,品質を有する。
⑥高流動コンクリートよりも安価である。

また,中流動コンクリートを採用する際の注意点としては下記が挙げられる。
⑦施工性・流動性が良いために打設速度が早くなり,型枠への側圧が大きくなる。
⑧普通コンクリートよりも若干のコスト上昇がある。
⑨普通コンクリートよりも初期強度の発現が若干遅延する。

中流動コンクリートは、スランプフローが45cm 程度(スランプでは21~23cm程度)のフレッシュ性状を有するコンクリートで、スランプ管理の普通コンクリートと自己充填性を有する高流動コンクリートとの中間に位置付けられるコンクリート。
 

[ 2012年11月21日 ]
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