アイコン 5月のOECD景気先行指数100.6に上昇 日本も牽引役に

今や世界経済と睨めっこしなければ、日本経済の先行きも見通せないものとなっているが、5月のOECD加盟33ヶ国景気先行指数(CLI)は100.6となり、4月の100.5から上昇した。ただ、先進国は上向いているものの、新興国は景気が減速している。

2013年5月の景気先行指数(CLI) OECD
 
3月
4月
5月
5月と 4月差
一口コメント
アメリカ
100.9
101.0
101.0
0.0
好調変わらず
中国
99.7
99.6
99.5
-0.1
減速
日本
100.8
101.1
101.3
0.2
回復基調
ドイツ
99.9
100.0
100.1
0.1
回復
フランス
99.6
99.5
99.5
0.0
変わらず
イタリア
99.8
100.1
100.3
0.2
回復基調
英国
100.8
100.7
100.7
0.0
好調変わらず
デンマーク
99.8
99.9
100.1
0.2
回復基調
スウェーデン
99.4
99.3
99.1
-0.2
減速
スペイン
101.1
101.3
101.6
0.3
回復基調
ポルトガル
100.6
101.0
101.3
0.3
回復基調
カナダ
99.5
99.4
99.4
0.0
変わらず
メキシコ
99.9
99.9
99.6
-0.3
減速
ブラジル
99.4
99.3
99.1
-0.2
減速
オーストラリア
99.7
99.6
99.5
-0.1
減速
インド 
97.5
97.5
97.6
0.1
低迷変わらず
インドネシア
99.7
99.6
99.6
0.0
減速懸念
ロシア
99.5
99.3
99.1
-0.2
減速
南アフリカ
100.7
100.8
100.8
0.0
変わらず
韓国
100.8
101.0
101.2
0.2
回復基調
ユーロ17ヶ国
100.0
100.1
100.3
0.2
回復基調
OECD加盟国
100.5
100.5
100.6
0.1
回復基調
 
フランスは、指標には表れていないが、第2四半期について、これまでのGDPの成長率を0.1%から0.2%に引き上がる見通しを示し、通年でも0成長にまで回復するとしている。
 なお、問題のポルトガルは欧州委やIMFから突きつけられている金融引き締め政策に閣僚が次々辞め、問題となっており、10年物国債金利も7.1%と高止まり、デフォルト確率も30%と異常値を示している。失業率もユーロ導入後最悪を記録し続けており、人口1056万人の国で200万人(就活をあきらめた人含)に達するとされ、公式な失業率も17%に達している。そうした中で景気の先行指数など無意味なものだろう。何かOECDが作為しているポルトガルの指数が感じ取られる。
日本は大規模金融刺激策により4月の101.1から101.3に上昇してOECD全体を牽引している。
 
4月から始めた日本の大規模金融緩和策は、まずは住宅投資に向かっており、住宅ローンおよび賃貸住宅ローンへ大規模に投入されてきている。
ただ、金利の先高感と何より消費税増税前の駆け込み需要と見られ、その後の反動減に対する対策は練られておらず、その先が心配されるものとなっている。しかしまずは、経済波及効果の高い住宅投資が日本の景気の牽引役を果たしており、他産業へ波及して循環すれば景気は本物となる。
5月の住宅新築着工戸数は、前年同月比14.5%増の7万9,751戸と9ヶ月連続増で、季節調整済年率換算で102.7万戸と平成20年10月以来の100万戸を超えた。
持ち家(=注文住宅)が、13.5%増と9ヶ月連続増、貸家(賃貸住宅+AP+賃貸マンション)も11.6%増と3ヶ月連続で大幅増となっている。
[ 2013年7月 9日 ]
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