アイコン アメリカ 1%対99% 貧富のその格差拡大と

深刻な不況からなかなか立ち直れないアメリカで、富裕層と貧困層の格差が史上最大に広がっていることが分かった。
 先週発表されたカリフォルニア大学バークレー校のエマヌエル・サエス教授の報告書「突然金持ちに――アメリカにおける高額所得者の誕生」によるもの。
1913〜2012年の米内国歳入庁(IRS)のデータを分析し、拡大する一方の所得格差について注目すべき結論を出している。
 報告書によれば、アメリカのいわゆる「1%の金持ち」の所得は08年のリーマンショックの金融危機当時からほぼ完全に回復している。ところが残り99%の人たちの所得は、ようやく戻り始めたところだという。

<特効薬は所得再分配だが・・・>
 昨年のアメリカでは、上位10%の世帯の所得が総所得の50.4%を占めた。1917年以降で最大の割合だ。上位1%が総世帯所得に占める割合は過去最大で19.3%だった。
09〜12年で、上位1%の所得伸び率は31.4%増だった(07〜09年の金融危機では▲36.33%減だったことから、それをほぼカバーしている)。これは、09〜12年のアメリカ全体の所得伸び率の95%に当たる。
同時期に、下位99%の人たちの伸び率はわずか0.4%増でしかなかった。
 昨年の富裕層の収入が、普段より良かったのは、保有株式を売却した人が多かったは、今年1月に、キャピタルゲイン(資産売却所得)税の税率引き上げが実施されたからだ。
 
かつての世界大恐慌時代には、抜本的な政策転換がなされ所得不平等が緩和されたが、最近の不況下では、そうした特効薬は出てきそうにないと、報告書は指摘している。となると、アメリカの所得格差が近い将来、大きく解消されることはない。
以上。
アメリカの新自由主義経済は、何でもかんでも規制解除を標榜し、無節操で無軌道なハゲタカたちが金融市場をゲームにしてしまい、挙句、世界経済を危機に直面させた。
ゲームに勝ち残ったハゲタカたちの動きは今も当時となんら変わりはない。そうしたハゲタカ経済に立脚しているが、アメリカである。

顔も肌の色もコトバも異なるアメリカをお手本としている日本は、規制緩和という美辞麗句のような言葉で誤魔化し、正社員の流動化を諮ろうとしている。派遣の職業別規制も大幅に解除する動きになっている。いずれ、最低賃金も撤廃されることになろう。その結果はすでに始まっている少子化を加速度的に進行させる役目を担う。
国民から大量収奪する消費税は、低所得者からも否応なく徴収する。増税すれば、当然家計に占める可処分所得は減じることになる。一方、企業の法人税は下げようとしている。法人税を下げれば、更に消費税を上げることにつながることは、欧州諸国のこれまでの税制で明白である。1000兆円を超えた債務の返済に、いくらでも税収入が欲しいのは、これまで1000兆円の箱ものバラ撒き行政を取り仕切ってきた国である。しかし、企業には、国民から大量収奪する消費税を上げ、金を集めることから、 企業の皆さんの利益については、法人税は安くしましょうである。
企業は利益獲得のため、当然、労働分配率を底なしに引き下げようとする。規制緩和の延長戦上で、いろいろなことが実現されることになろう。
中層なしの1%対99%に、規制緩和という美辞麗句の下に日本もだんだん近づいている。会社で頑張っているあなたも、40過ぎればいつ希望退職者募集の対象になるかもしれない世の中だ。

[ 2013年9月19日 ]
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