アイコン 平成25年度貿易赤字▲13兆円過去最大 産業空洞化で輸出伸びず

平成25年度(2013.4~2014.3)の日本の貿易収支は、円安で原油や LNG=液化天然ガスの輸入額が膨らんだ一方、企業の工場の海外移転・拡大による産業の空洞化から輸出が増えず、そうした海外の日本企業からの日本への輸 入も格段に増加して13兆7488億円の赤字と過去最大の貿易赤字となった。貿易収支が年度を通じて赤字となるのは3年連続。
財務省が発表した貿 易統計によると、昨年度1年間の輸出額は、円安効果でアメリカ向けの自動車の輸出額が増えたことなどから70兆8564億円となり、前年度比10.8%増 加した。しかし、輸出の数量ベースでは0.6%のプラスと3年ぶりに前の年度を上回ったものの、低い伸びにとどまっている。

日本製品は円安で輸出競争力が付いたはずだが、輸出するモノが既に日本では生産されなくなってきていることを象徴している。(既に日本で販売されている日本メーカーの電化製品精密光学製品等よく見れば、殆どがチャイナ・東南アジア生産となっている)
一方、昨年度の輸入額は、円安で原油やLNGの輸入額が大幅に増加したことや、中国から太陽光発電に使われる電池など電子部品の輸入が増えたことなどから、前年度比17.3%増加して、これまでで最も多い84兆6053億円に膨らんだ。
この結果、輸出から輸入を差し引いた昨年度の貿易収支は13兆7488億円の赤字となり、赤字額は平成24年度の8兆1577億円を大幅に上回って、統計が比較できる昭和54年度以降で最大となった。

貿易収支が年度を通じて赤字となるのはこれで3年連続。一方、3月の貿易収支も1兆4463億円の赤字だった。21ヶ月連続赤字で、赤字額は3月としては過去最大となっている。
こうした現象は、今後さらに拡大、原発を再稼動させても貿易赤字はまったく解消されない産業構造の変化となっている。
日本は、貿易赤字より、金融・・頭脳(特許)・海外生産における利益(日本ブランド化)に特化させ、経常収支での黒字をはかる必要に迫られている。

NHKや各報道機関は、原発停止で貿易赤字が拡大しているとしているが、今はそんなことより、日本のメーカーが海外生産を拡大させ、日本からの輸出が減少していることに輸出が伸びない最大の原因となっている。
この間円安が25%以上進んだことから、ドル換算では逆に輸出額は減っている。
また、海外への生産シフトにより、そうした日本メーカーによる日本への輸入が拡大、輸入額を押し上げている。さらに、日本経済の景気回復により、日本メーカー品の海外からの日本への輸入は拡大し続けているのが現実だ。
原発停止によるLNGなど燃料の輸入量は前年と比較し決して増加していない。

国・NHK・各報道機関は、ことさら、現実から目を背け、原発停止で赤字が拡大し続けていると原発再稼動へ論調を統一し情報操作している。

貿易収支時系列
 
輸出/百万円
輸入
貿易収支
2010
67,399,627
24.4
60,764,957
18
6,634,670
148.4
2011
65,546,475
-2.7
68,111,187
12.1
-2,564,712
 
2012
63,747,572
-2.7
70,688,632
3.8
-6,941,060
-170.6
2013
69,787,657
9.5
81,262,175
15.0
-11,474,518
-65.3
・産業空洞化により、日本の景気がよくなり、海外工場で生産された日本メーカー品を日本へ輸入して、日本で消費される製品の輸入拡大が貿易収支悪化を拡大化させている最大の要因。2012年と2013年比較で原発停止に伴う原油・天然ガスが大きく増加していることはない。
 

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[ 2014年4月21日 ]
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