アイコン 日立製作所/イギリスで497両を追加受注と27年半のメンテ契約

0422_03.jpg日立製作所は21日、英国運輸省の都市間高速鉄道計画につき、日立と英国ジョ ン・レイング社が主要株主である特別目的会社アジリティ・トレインズ社を通じ、East Coast Main Line(ECML)向け車両497両 (Class800シリーズ65編成)の納入ならびに27年半に渡る保守事業の正式契約を締結したと発表した。
具体的には、2012年7月に一括 受注した車両596両(92編成)のうち、既に融資契約(Financial Close)を締結しているGreat Western Main  Line(GWML)向け369両(57編成)を除く商務契約(Commercial Close)済みの227両(35編成)と2013年7月に追加受 注を内定したECML向け270両(30編成)に関する融資契約の締結になる。
今後日立は、アジリティ・トレインズ社向けに、合計866両(122編成)の車両製造、ならびに27年半に渡る保守事業を行っていく。

なお、本プロジェクトは英国運輸省が主導するPPP(Public Private Partnership)スキームで実施されており、国際協力銀行および、独立行政法人日本貿易保険による金融支援を受けている。

現在、日立では、IEP向けClass800シリーズの設計を進めており、既に多くの部品の調達先の選定を完了した。先行生産車両3編成の製造を、今年中に笠戸事業所(下松市)で行う予定であり、英国には2015年前半に発送する予定。

また、日立は、英国ダーラム州ニュートン・エイクリフにおいて、日立レールヨーロッパ社の鉄道車両工場の建設を進めている。約8,200万ポンドの投資で建設される同車両工場は、2015年半ばに竣工し、2016年中からClass800シリーズの生産を開始する予定。
既に、同車両工場に勤務する従業員の採用活動を開始しており、最終的に研究開発施設も含め約730名のスタッフを採用する見込み。
さらに車両の信頼性に対する厳しい要件を満たすために、日立レールヨーロッパ社では、英国西部サウス・ウエスト・イングランドのブリストル(ストーク・ギフォード)に最先端の保守拠点を設置する予定。
また、ロンドン西部にあるノースポール車両基地の改修や、ウェールズ南部のスウォンジーにある保守施設の増強も行うほか、中北部サウス・ヨークシャーのドンカスターでは、新しい車両基地の建設を開始する予定。
今回の受注では、日立は、電気・ディーゼル併用車両であるClass800と電車のClass801を納入する予定。
電気・ディーゼル併用車両は、電化区間で使用する駆動動力に加えて、非電化区間における駆動動力として、床下にディーゼル発電機を装備している。ディーゼル発電機は取り外しが可能となっており、電化区間が拡大された際の移行を円滑に行うことができる。

GWML向けに9両編成電車21編成、5両編成電気・ディーゼル併用車両36編成(合計369両、57編成)、ECML向けに5両編成電車12編成、5両編成電気・ディーゼル併用車両10編成、9両編成電気・ディーゼル併用車両13編成、9両編成電車30編成(合計497両、65編成)がそれぞれ投入される予定。2017年から納入が開始される。
以上。
日立の高速列車「クラス395」は、運賃が3割高く、また車両が長いため、英国人の不満が爆発し、計画が縮小される危機もあった。しかし、2009年の厳冬でダイヤの乱れが常態化したロンドン近郊で「唯一大きな遅れなく走行した」ことが高い評価を獲得、英運輸省側も「日立の提案がベスト」との報告を挙げ、独シーメンスなどを抑え今回の契約にも至っている。
 

[ 2014年4月22日 ]
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