アイコン 欧州ユーロ圏18ヶ国のGDP第2四半期は横ばい 独・伊はマイナス

欧州連合(EU)統計局は14日、ユーロ圏18ヶ国の4~6月期の域内総生産(GDP)が前期に比べ物価の影響を除いた実質で横ばいだったと発表した。
ドイツ、イタリアがマイナス成長を記録し、フランスもゼロ成長だった。ウクライナ問題からのロシアとの経済関係が冷え込んでおり、景気の先行きも不透明感が強まっている。
1~3月期のGDPが暖冬の影響で0.7%増と高成長となったものの、その後はウクライナ問題を巡るロシアとの対立を受け、企業の景況感が悪化していることも影響した。
 EU統計局によると、ユーロ圏は年率では前期比で0.2%増だった。
ユーロ圏では債務危機の沈静化を受け、昨年4~6月期から1年間プラス成長が続いていたが、景気の勢いは再び弱まっている。

<ドイツ> 
ユーロ圏で最大の経済規模を持ち、域内の景気をけん引してきたドイツは、5四半期ぶりのマイナス成長となった。ドイツはEU域内より、中国を柱に輸出や利益の還流により経済を成長させてきていた。マイナスに作用しているのは、ウクライナ問題のロシアおよび中東問題・新興国の成長鈍化が影響している。武器輸出では世界第3位の国でもある。
<フランス> 
フランスは、2期連続で横ばい。同国は景気回復が遅れており、企業などの設備投資が減少したことが全体を押し下げた。この間、失業率も過去最悪を記録している。 
<イタリア>
イタリアは、前期比0.2%減。2期連続のマイナス成長となり、再び景気後退期に入った。高級ブランドの輸出も経済に大きく左右しており、ウクライナ・ロシアの高級品市場の悪化、中国の贅沢品離れの消費も影響している。
以上。

ロシアとアメリカの直接貿易は日本と同じくらいで米国としては大きくない。しかし、欧州とロシアの貿易は大きく、ウクライナ問題を機にロシアと欧米日は経済制裁の報復合戦に突入しており、欧州の影響が一番大きなものとなっている。特に財政不安な東欧の国々の影響は大きく、また欧州で火の手が上がる可能性もある。
欧州のロシアに対する制裁が、現在のようにエスカレートし、強行且つ長引けば、冬に向け、欧州向けへパイプラインでつながる天然ガスなどで約3割のエネルギーを供給しているロシアの存在感が大きくなってくる。そうなれば、国民の不満が欧州各国の政権に向けられることになる。
ロシアは、こうした経済制裁に、国民はプーチン支持率を鮮明にしており、今では、完全にウクライナ問題で大規模軍事演習など行い、開き直ってきている。

2013年の世界の主要地域GDP/IMF2014版  単位:10億USドル
地域
GDP
世界シェア
欧州
19,355
独・仏・伊・旧ソ連圏の計50ヶ国
26.2%
北米
18,324
アメリカ・カナダ
24.8%
東アジア
16,067
中国・日本・韓国・台湾・香港
21.7%
東南アジア
4,748
インドほか計16ヶ国
6.4%
ロシア
2,118
欧州から外す
2.9%
その他、
13,390
中東・中南米・アフリカ・オセアニア
18.1%
 
73,982
 
100.0%
 
欧米経済は、昔は独立型であったが、今ではグローバル化し、世界各国が相互に影響しあう関係となっている。地域最大の経済圏である欧州経済が立ち直らなければ、米国だけに輸出が集中し持ちこたえられず、世界の工場である中国も苦しい。そうした中でウクライナ問題・中東問題・中国貿易摩擦問題などの政治問題が世界経済に悪影響をもたらしている。欧州経済は、リーマン・ショックの後遺症を患っているため改善には時間がかかる。
[ 2014年8月14日 ]
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