アイコン アラブの春は泥沼の春だった シリア・独裁アサド圧勝

アラブの春は幻想に過ぎず、今やシリアでは、政府軍・反政府軍・アルカイダ系イスラム過激派・レバノンのヒズボラが入り乱れ、国家破壊の限りを尽くしている。
反政府軍の中に入り込んだイスラム過激派は、反政府軍とも交戦、すでに支配地も有している状況だ。
「触らぬ神に祟りなし」の琴線に触れさせた西側諸国は、独裁排除の民主化の戦争のはずが今や宗教戦争と化かし、大量の殺戮兵器が西側から、旧東側からもたらされ続け、内戦の終結など見えてこないどころか、混迷を深めるばかりとなっている。
ア ラブの春を成功させようと企んだのは、アサドと仲が悪いシリアの元宗主国であるフランスであり、米国が共同してシリア政府軍を殲滅してくれるものと期待し ていた。しかし、アメリカは、紛争地域への派兵には消極的であり、あっさり、ロシアに丸め込まれてしまった。そのため、フランスはシリアへの単独派兵を断 念、その代わり、フランスに居住しているシリア人を利用して、シリアの反政府軍へ送り込んでいる。実質派兵ともいえる。フランスは単に元宗主国として石油 利権を獲得したいだけにアラブの春を演出したのだった。

こうしたシリアで3日、大統領選挙の投票が行われた。3期目を目指す現職バッシャール・アサド氏(48)の圧勝が確実となった。アサド氏は国民の支持を得たとして正統性を誇示、政権は当面存続する見通し。アサド大統領退陣を求める欧米や反体制派と、政権側の対話による危機の解決は遠のいた。
 即日開票され、順調なら4日にも結果が発表される。任期は7年。軍などは3日、妨害テロを警戒し厳戒態勢を敷いた。
 シリアでは、2011年3月の反政府デモ以降、16万人以上が死亡、近年で「世界最悪の人道危機」とされる。米国は反体制派、ロシアは政権側を支援している。

 劣勢にあった政府軍が勢いを取り戻したのは、政府軍側へのヒズボラ参戦にあり、また、反政府軍の衰退は、イスラム原理主義過激派との交戦にあるとされている。
 こうした戦争に、いつも大きな被害を受けるのは国民だ。すでに253万人が難民となっており、家を追われた人は900万人に達するとされている。戦争などに大義など屁理屈に過ぎぬことがよくわかる。
また、大量の武器がシリアへ渡っており、その武器が、イスラム過激派へ渡り、ほかのアラブの地やアフリカへ流れ、落ち着き始めていたアフリカも再度混沌としてきている。儲かるのは武器メーカーと武器商社ばかり。勝てば官軍だが、それまでは殺戮の嵐が吹きすさむばかり。

[ 2014年6月 4日 ]
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