アイコン タイ 内戦突入の恐れ否定できず

巨額賄賂で指名手配中の実兄で元首相のタクシン思いのインラック首相が、兄タクシン恩赦の法制定に動き、反政府派 が大規模デモで抗議、恩赦法は下院で可決されたものの、11月8日上院で否決され廃案となった。しかし、反政府派は恩赦法の動きで勢いづき、各地でデモを 繰り返し、首都バンコクの主要国道封鎖など行っている。
これに対して、インラック政権は禊を受けるとして2月2日に総選挙を行うと表明、反政府側の反対を押し切り総選挙を敢行、しかし、選挙も多くの投票所が反政府勢力により封鎖され、開票できない事態に陥っている。
インラック政権としては、タクシン時代から続く、貧困層や農民への庇護政策により、選挙では圧倒的に支持を受けており、選挙ではインラック政権側の勝利が揺るがないものとなっている。
 インラックのこうした動きは、ドバイにいる兄タクシンからすべて指示が出されていると見られている。

<頼みの農家もインラック政権に一部で反乱>
しかし、政府が大洪水などで困窮する農家にコメを担保に融資するとした政策が、融資金が枯渇し、コメ農家やゴム栽培農家などが政府に抗議、地方道路などを封鎖する事態に陥っている。

<赤シャツのUDD動き出す?>
そうしたなか2月23日、政府を支持するタクシン元首相派の「反独裁民主統一戦線(UDD、インラック政権を誕生させた赤シャツ部隊)」が、東北部のナコンラチャシマで、全国から幹部ら約4千人を集めた会議を開催。
反政府派の「人民民主改革委員会(PDRC)」や司法機関に対抗する方針を掲げ、具体的戦略などを協議したという。 
今後、UDDが街頭行動を活発化させれば、反政府派と大規模衝突に至る事態も懸念されている。
 UDDは、これまで、インラック政権の反政府派に対する「ソフト路線」に呼応するかたちで、バンコクでの街頭行動などを控えていた。

<コメ備蓄米売却で窮地となったインラック首相>
 また、インラック政権は、農家対策で、コメなど担保に融資する制度を設けたが、国の備蓄米を外国へ売却して資金調達方法をとっており、タイ国家汚職追放委員会が2月18日、国家コメ政策委員会の委員長を兼務するインラック首相に対して、国に損害を与えかねない制度を指揮した疑いで、職務怠慢と職権乱用の罪で告発する方針を決めた。

こうした、反政府勢力は、インラック政権自滅の農家の切り崩しをはかり、最終的には国民のうち、貧民層や農家が圧倒的多数とはいえ、選挙で選らばれて政権樹立を目指している。
こうした国の事情と米金融緩和縮小により為替安も引き起こし経済が混迷していくなか、時間稼ぎ状態ともいえる。

<インラック政権が危機に陥ればNDDが動く>
 インラック政権が、窮地に陥れば陥るほど、NDDはタクシンへの恩返しとばかりに過激に擁護する動きをとると見られ、反政府勢力との衝突は避けられないだろう。
現在、日本の進出企業によって成立しているタイ経済も、大洪水では大きな損失を招き、復興しかかった矢先に今回の政治的な混乱となっている。日本企業のタイから海外への移転や新たな進出が大きく損なわれる可能性が高い。それはタイ国にとって即経済低迷を裏付けるものとなる。
すでにタイ国では、2013年の自動車販売台数が前年度より▲7.4%減の133万台となり(上半期は22.1%増)、急激に悪化してきている。
(日本も応札したものの大洪水の対策工事のほとんどは韓国勢が受注している。インラックは日本のタイに対する貢献度合いをまったく意に介していない。ただ、韓国勢はいつものとおり超安値受注しており4年後が見ものだ。・・・米国もタイ国も国益とは何たるかを心得ているのかもしれないが・・・)

<頼みは国王と国軍>
政治に中立である国王は、タイ国民から絶大なる信頼を得ており、政権・反政権に関係なく「国王の一言」で政権は動く、また、国軍も中立を誓い動かない。ただ、2006年9月19日の軍事クーデター(タクシン失墜・逃亡)のような短期的な実権掌握の可能性はある。
タイの人口は66百万人、仏教国(95%)、イスラム4%。農林水産業従事者は国民の5割。
僧に女性は触れてならない。オカマの多い国でもある。

いずれにしろ、タイの混乱が内戦に発展したとしても、シャモの喧嘩のようなもので、こじんまりしたものであり、国王や国軍が何か言ったら収拾される程度のものである。
 

[ 2014年2月24日 ]
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