ロシアスパイに陸自「教範」譲渡で元東部方面総監宅捜索/警視庁公安部
警視庁公安部は、在日ロシア大使館に一時在籍し、外交官として勤めていたロシア情報機関員が、陸上自衛隊の元東部方面総監(64)から自衛隊関連の情報を受け取っていた疑いが強まり、近く聴取のため外交ルートを通じてロシア側に機関員の出頭を要請する方針を固めたと20日報道されている。
元総監については、自衛隊法(守秘義務)違反の疑いで近く書類送検する方針。公安部は既に埼玉県内にある元総監の自宅を家宅捜索している。
<陸自売店販売の「教範」本・・・非買本>
元東部方面総監は、退官(09年7月)後の2013年5月ごろ、自衛隊の軍事訓練や戦術などをまとめた「教範」と呼ばれる資料をロシア人元武官に渡し、情報を漏洩した疑いがあるという。
部下だった自衛官ら男女4人に頼んで入手したといい、警視庁はこの4人も書類送検する。
この「教範」は、各部隊の行動基準が掲載され、自衛官の教育や訓練に使われる。訓練の計画から実行までの流れや、部隊の運用がまとめてあるという。
重要な機密事項は含んでいないが、警視庁は、外部に漏れれば陸自の業務に支障が出るおそれがある内容で、隊員が職務上知り得た秘密にあたると判断した。
「教範」は、緑色の表紙で2センチほどの厚さだった。一般には入手できないが陸自では売店で販売されている。
<露大使館武官=スパイ>
ロシア情報機関員は2010年5月にロシア大使館に陸軍大佐の身分で武官として着任、既に帰国、形式的な要請にとどまる公算が大きい。本国ではロシア軍参謀本部情報総局(GRU)に所属しているという。
<東部方面総監部>
陸上自衛隊では、最高位の陸上幕僚長の下、全国を5ブロックに編成「方面総監部」を置いている。当該の元東部方面総監は、首都を守る方面総監部を率いるトップ「東部方面総監」だったという。
以上、報道参照
日本の公安は列記とした諜報機関、当該の元東部方面総監は、ロシアスパイと接触した各場所やその内容を具に掌握しており、あらゆる手立てによる諜報活動の成果と見られる。
報 道によると、当元東部方面総監は、退官後、某パーティに出席時に露大使館武官(スパイ)と歓談していたことから、公安当局からその後の行動がマークされ、 その後両者の接触もあり、完全にマークされていたものと見られる。公には「教範」本を某ホテルの一室で渡したとして、情報漏えいの疑いがもたれている。ほ かに4人も書類送検するといい、何か重大な・・・があるのだろう。
最近10代の東部方面総監
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氏名
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就任期間
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出身校
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前歴
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29代
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益田兼弘
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1997.7.1-99.12.10
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防9期
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第2師団長
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退職
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30代
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山口義廣
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1999.12.10-02.3.22
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防11期
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陸上幕僚副長
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退職
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31代
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菅博敏
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2002.3.22-04.3.29
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防13期
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陸上幕僚副長
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退職
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32代
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今村功
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2004.3.29- 06.3.27
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防15期
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第7師団長
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退職
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33代
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澤山正一
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2006.3.27- 07.7.2
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防16期
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第4師団長
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退職
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34代
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泉一成
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2007.7.3-09.7.21
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防18期
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統合幕僚副長
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退職
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35代
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関口泰一
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2009.7.21-11.8.5
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防20期
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陸上幕僚副長
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退職
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36代
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渡部悦和
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2011.8. -13.8.22
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東大
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陸上幕僚副長
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退職
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37代
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磯部晃一
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2013.8.22-15.8.4
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防24期
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統合幕僚副長
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退職
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38代
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森山尚直
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2015.8.4 -
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防26期
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防衛大幹事
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現任
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報道による2009年7月に退官されたのは、次の総監となる
<泉一成元東部方面総監>
2002年(平成14年)12月2日:西部方面総監部幕僚長
2003年(平成15年)7月:統合幕僚会議事務局第3幕僚室長
2005年(平成17年)7月28日:「陸将」に昇任、第8師団(南九州)の師団長に就任
2006年(平成18年)8月4日:第2代統合幕僚副長
2007年(平成19年)7月3日:「第34代東部方面総監」に就任
2008年(平成20年)12月:日米共同方面隊指揮所演習(YS-55)に日本側統裁官として参加
2009年(平成21年)7月21日:退官
2009年10月:トヨタ自動車に顧問として再就職
トヨタ顧問:陸上自衛隊の防衛構想を踏まえた陸上自衛隊装備品(高機動車)の研究開発に関する指導・助言。
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