アイコン 中間期のスーパーゼネコン(2)受注状況 官庁工事減、民間工事大幅増

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スーパーゼネコン4社に見る中間期の受注状況は、官需から民需に移行してきており、需要が好循環の様相を示している。
民間工事の受注高は、同比21.5%増(3,696億円増)の1兆8,799億円と大幅に増加した。20東京五輪を控え、東京都心の大型再開発が目白押しになっており、国の金融緩和政策などにより、分譲マンション建設や賃貸マンション建設(純投資と相続税対策あり)および工場建設なども拡大してきている。

一方、官庁工事は、前中間期比▲29.1減(▲2,283億円減)の5,572億円と大幅に減少している。
これは東日本大震災復興の土木工事が一巡してきていることによるものと見られ、土木工事の受注額が前中間期比▲42.9%減(2,353億円減)と大幅に落ちている。
ただ、官庁工事も建築工事は15.9%増加(374億円増)しており、土木工事から建築工事に移行しているものとも見られる。

<受注残>
受注残は、受注が大幅に減少した官庁工事でも4.7%増加し2兆41億円となっている。ダムや道路・トンネルなどの長期工事の手持ちが多くなっていることを意味しよう。
民間工事は、受注が大幅に増加していることから10.7%増加し4兆179億円となっている。
 
 スーパーゼネコンの場合は、こうした受注状況となっているが、中堅ゼネコンもほぼ同じと見られる。
ただ、地方にあっては、倒産企業が出ないほど公共投資が行われており、スーパーゼネコンと様相を変えるものと見られる。
地方の建設会社は、建築と土木に分かれている。
建築部門は、地方中心都市までは今開発バブルが波及しているものの、官庁工事以外は厳しい状況が続いているものと見られる。
一方、土木工事は、安部政権による「全国津々浦々にこの景気を」と公共投資がバラ撒かれており、今9月までの発注が減じたとしても、来年の参議院選挙を控え大型補正予算が待っており、官庁工事の恩恵は計り知れない。

私 見、官庁工事は、もうそろそろ将来の財政負担となる新規工事(新設道路や建物・ダム)はほど程に、老朽化で問題となっている高速道やトンネル・橋梁などの 大規模改修工事にシフトする必要があろう。マスコミが報道もしなくなった財政悪化は、この間、肥大化し続けており、ギアをローに切り替えなければ、このま まではいずれパンクしてしまう。景気の波は必ずある。
そのためにも、民需主導に変えていく必要がある。本バブル時代、従業員の報酬が増加し続け、内需が好循環したように(本バブル時代は、国・自治体と金融機関・投機筋が結託したバブルであり、その崩壊であった反省はある)。眼下、幸い、民需が動き出している。

 

中間期(単体) 単位:百万円
受注
 
大林
鹿島
清水
大成
前年比
今期
 
 
 
 
 
 
官庁
154,791
120,224
161,802
120,427
557,244
-29.1%
民間
420,691
449,961
462,520
546,824
1,879,996
24.5%
海外
15,989
-3,020
30,614
22,572
66,155
-50.9%
591,471
567,165
654,936
689,823
2,503,395
3.0%
前期
 
 
 
 
 
 
官庁
152,134
143,961
217,968
271,503
785,566
 
民間
440,446
311,965
455,070
302,870
1,510,351
 
海外
7,855
1,181
81,872
43,778
134,686
 
600,435
457,107
754,910
618,151
2,430,603
 
 
 
 
 
 
 
 
受注残
今期
 
 
 
 
 
 
官庁
406,425
514,558
510,283
572,932
2,004,198
4.7%
民間
1,006,248
933,994
792,787
1,284,935
4,017,964
10.7%
海外
68,117
57,714
138,939
89,460
354,230
-23.5%
1,480,790
1,506,266
1,442,009
1,947,327
6,376,392
6.2%
前期
 
 
 
 
 
 
官庁
369,386
510,470
446,438
588,605
1,914,899
 
民間
946,317
829,274
846,247
1,006,822
3,628,660
 
海外
99,158
41,265
193,492
129,347
463,262
 
1,414,861
1,381,009
1,486,177
1,724,774
6,006,821
 
官庁受注
今期
 
 
 
 
 
 
建築
83,051
83,192
71,135
36,442
273,820
15.9%
土木
71,739
67,032
90,667
83,984
313,422
-42.9%
 
 
 
 
 
 
 
前期
 
 
 
 
 
 
建築
25,877
22,755
58,969
128,725
236,326
 
土木
126,256
121,206
158,999
142,778
549,239
 
 
なお、竹中工務店については、http://n-seikei.jp/2015/11/post-33733.html で個別に掲載している。
また、スーパーゼネコン各社の個別内容は下記のとおり。
大林組/http://n-seikei.jp/2015/11/post-33499.html
鹿島/http://n-seikei.jp/2015/11/post-33498.html
清水/http://n-seikei.jp/2015/11/post-33471.html
大成/http://n-seikei.jp/2015/11/post-33431.html
 
 
 
[ 2015年11月24日 ]
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