アイコン 英イギリスEU離脱 EUに占めるGDP 今後予想される経済変動 輸出入

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イギリスのEU離脱派は、すでにシルクロードに馬車を立て中国習政権の投資マネーを招待すべく、送り出している。その一つの流れが欧州勢で一番先にAIIB加盟を表明したことでも現れている。ロンドン五輪後に英経済が低迷しなかったのも中国の投資マネーであった。イギリスにおける新規原発設置もすでに中国に中国式で開放している。
結局、今回の離脱決定は、EU離脱派のイギリス紳士のプライドなど妄想に過ぎず、中国独裁政権に跪く何ものでもない。
イギリス経済は、今後、どうなるのだろうか。

1、EUから進出している企業の撤退が予想される。
 EU以外から進出企業は、支店や現地法人をEUに移転。もしくは大-幅縮小する可能性大。

2、ポンド安で物価上昇を招き、国民生活へ大きな影響が出てくる。イギリスはGDPに占める消費比率が66%(2014年)と世界でも高い水準にある。その消費に大きな影響が出る。ただ、食料自給率をカロリーベースだけで見た場合は74%と日本の40%よりかなり高く、食料品に与える影響は少ない(イギリスは金はあるが美食家がいない食貧国)。

3、ポンド安で輸出企業の利益は増加するが、輸出製造業は限られている。IT製造基地はスコットランドにあり、こうしたEU進出企業は逆に撤退もしくは大幅縮小する可能性が高い。そのほかの業種もイギリス進出企業は、イギリスとEUに分散する必要があり、縮小されることになる。日本企業も10兆円近い投資をイギリスに行っており、大きな影響を受ける。

4、中国マネーが大量に再度流入し、経済再生の起爆剤を期待している。中国マネーの実態は、ロンドンの不動産価格を暴騰させただけ。イギリス保守の離脱派は銭だけ中国に求めるという都合のいい話ばかりであるが、いずれシティがチャイナタウン化することになろう。

5、シティの金融マーケットは世界の拠点の一つで、金融サービスはイギリスGDPに占める割合も10%超と先進国でも高い。ロンドン・シティは、ベルギー・アントワープのダイアモンド市場とともにユダヤ人が支配しているとされる。
 そうしてロンドン市場から、EU関係市場がフランスやドイツの市場に移転してしまう。シティの衰退を意味する。

6、スコットランド独立の再燃
EU離脱後のスコットランド住民に対する世論調査では7割近いスコットランド国民が独立意向を示している。

7、スコットランド独立では、北海油田のイギリス権益がスコットランドに移転し、イギリスの財政基盤を損なわしめる。

8、EUとの準加盟契約への移行は、自由貿易は維持されるが、関税は別問題。今までどおり貿易における関税無しには、EUの統一ルール遵守を求められ、離脱派のロンドン前市長が何を発言しようが、離脱派としては到底受け入れがたい。EUへ拠出金も求められる。
準加盟国ノルウェーは、北海油田を抱え財政基盤が安定、水産と農業を守るために、加盟ではなく、EUルールを遵守するという準加盟を選択している。

9、英離脱後のEUは弱体化が免れず、経済低迷が続くことになる。イギリスにもEU経済低迷は影響し、相互に更なる経済低迷に陥る危険性が高まっている。
崇高な難民受け入れ問題にしても各国で極右の台頭を招き、各国の政治基盤を軟弱なものにしており、英離脱で大幅な修正を求められるものと見られる。
 ただ、すでにEUは新たな難民受け入れはしていない。トルコに金を与え、トルコに難民を抱えさせている。

EU離脱を選択したのはイギリス国民であり、今後生じる問題の責は、すべてイギリス国民が負わなければならない。
今回の戦況で離脱票が多かったのは、EUと関係深い地とそうでない地でもはっきりしているが、世代間でも、若い層は残留派が過半を占め、若ければ若いほど残留支持が多かった。45歳以上では離脱派が多い結果となっているが、高齢者になればなるほど離脱派が多かった。ただ、当日は高い投票率ながら、全国的に雨で若い層の投票率が伸び悩んでいた。
(こうした現象はいずれもどっかの国と似ている)

離脱派が主張する仕事の場を移民難民に食われている現実は、2012年には8.5%台の失業率が今では5.0%台まで低下している。昨夏8月の労働者平均賃金は2%増加(ボーナス含めば2.4%増)している。離脱派は、経済が回復してくれば労働力不足に陥り、今度は移民を多く受け入れよと主張するのだろうか。

第2次大戦ではナチス・ドイツがフランスや東欧を占領し、ロンドンを大量のロケット攻撃にさらした。こうした第2次大戦の反省から第3次大戦を回避するために設けられたEUは、今回、イギリスが独仏に対して経済戦争を仕掛けたとも受け止められる。しかし、返り討ちにあう公算が強い。

離脱派が目指す大英帝国の復活論、しかし、現実は植民地支配による収奪時代ではない。離脱派は、現実の経済の原理原則をなおざりにしており、安易に中国マネーに依存しようとするならば、逆に中国から(経済的に)植民支配される恐れが高い。覇権主義国の中国の野望にとってもロンドンは、一帯一路のシルクロード帰結地・目的地ともなっている。

経済規模(2015年GDP・名目) USドル
EU加盟国合計
 
16,220.37
 世界合計 (189ヶ国)
 
73,069.42
  (EU / 世界)
 
22.2%
イギリス
 
2,849.35
イギリス除外
 
13,371.02
(英除外EU / 世界
 
18.3%
 
 
 
EU人口
順位
国名
単位: 百万人
(世界)
EU合計
合計
507.38
世界の合計 
7,213.51
(EU / 世界)
7.00%
1位(16位)
ドイツ
81.90
2位(21位)
イギリス
65.10
3位(22位)
フランス
64.28
4位(23位)
イタリア
60.80
5位(29位)
スペイン
46.38
6位(36位)
ポーランド
38.01
7位(57位)
ルーマニア
19.91
8位(63位)
オランダ
16.94
9位(75位)
ベルギー
11.34
10位(79位)
ギリシャ
10.81
11位(81位)
チェコ
10.54
12位(82位)
ポルトガル
10.41
13位(84位)
スウェーデン
9.88
14位(85位)
ハンガリー
9.86
15位(90位)
オーストリア
8.56
16位(98位)
ブルガリア
7.17
17位(109位)
デンマーク
5.66
18位(111位)
フィンランド
5.47
19位(112位)
スロバキア
5.42
20位(118位)
アイルランド
4.64
21位(122位)
クロアチア
4.22
22位(133位)
リトアニア
2.90
23位(140位)
スロベニア
2.06
24位(141位)
ラトビア
1.99
25位(147位)
エストニア
1.31
26位(154位)
キプロス
0.86
27位(162位)
ルクセンブルク
0.56
28位(165位)
マルタ
0.43
 
準加盟
ノルウェー
 
準加盟
アイスランド
 
準加盟はEU条約内容で締結する必要がある。
輸出入(2014年)
 
百万ポンド
構成比
EUに対する輸出額
147,285
47.4%
中国に対する輸出額
15,934
5.1%
 
 
 
EUからの輸入額
220,635
52.8%
中国からの輸入額
33,891
8.1%
 
 
 
輸出品目(構成比5%以上)
車両
32,163
10.3%
石油製品
30,908
9.9%
非貨幣用金
23,283
7.5%
医薬品
21,088
6.8%
原動機
20,745
6.7%
総計
310,895
100.0%
輸入品目(構成比5%以上)
車両
45,730
11.0%
石油製品
37,700
9.0%
食料品(畜産含)
33,041
7.9%
医薬品
19,880
4.8%
総計
310,895
100.0%
 
スコットランド独立後はユニオンジャックのこの国旗も変わる。
元々、英国旗は、イングランド+ウェールズ+スコットランド+アイルランドの連合王国であったことに由来する国旗。
 
イギリス国旗

[ 2016年6月28日 ]
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