アイコン 東レ スペースX社と炭素繊維供給の基本合意

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東レが米宇宙開発ベンチャーの「スペースX」のロケット・宇宙船の機体に使われる炭素繊維を長期供給することで基本合意したと報じられている。

17日、契約規模は複数年で累計2000~3000億円規模になる見通し。東レは供給期間や価格などの詳細な条件に対しては、スペースXとさらにすり合わせた後、早ければ今秋の最終合意を目指しているという。
スペースXは、耐久性に優れた炭素繊維の使用を増やして機体の寿命を延ばすと同時に、軽量化を通じて積載効率の向上を狙って東レとの長期契約を交わしたものとみられる。

今回の合意について、旅行、物資輸送、資源開発などの宇宙開拓に関する新市場の勃興が、日本が強みを持つ素材産業にも大きな追い風となりそうだとしている。

<スペースX社>
スペースX社は、2002年に決済サービスベンチャー企業PayPalの創設者のイーロン・マスクにより設立され、現在もCEO・CTOを務めている。イーロン・マスクはEVのテスラ・モーターズのCEOでもある。
2012年にドラゴンをISSに民間機として初のドッキングを成功させ、補給物資や実験装置を送り届けた。
2015年には、ファルコン9の第1段により、世界初となる衛星打ち上げロケットの垂直着陸を達成した。
2016年には、米軍事衛星の打ち上げ市場への初参入も果たしている

<東レ・炭素繊維>
炭素繊維の長所は「軽くて強い」という点。鉄と比較すると比重で1/4、強度で10倍、弾性率が7倍ある。その他にも、耐摩耗性、耐熱性、熱伸縮性、耐酸性、電気伝導性に優れている。
短所としては、製造コストの高さ、加工の難しさ、リサイクルの難しさが挙げられる。
また、素材自体が異方性を持ち、どういった形で積層するか、また、損傷を受けた場合の破損の判断が難しく、クリティカルな状況での使用は細心の注意が必要となる。
炭素繊維の複合材料は、軽量化が求められる航空機やスポーツカーなどに用いられている。特に東レは航空機などに用いられる高級な炭素繊維を生産しており、ボーイング機などに納め、圧倒的なシェアを持つ。現在の炭素繊維であるPAN系もピッチ系も日本の科学者が発明している。

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[ 2016年8月18日 ]
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