アイコン 韓進海運の破綻と状況  海運同盟から実質除名 SCFI指数1週で27%上昇

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8月22日、政府系産業銀行李東杰会長が韓進財閥の趙亮鎬会長との会談で最後通告、決裂。
8月31日、韓国裁判所へ法定管理(会社更生法)申請、破綻。
韓進海運の資産規模6兆7,000億ウォン(約6,240億円)
(借入金の利息だけで3,300億ウォン(320億円)・・・今年必要分、債権団は金利低減措置など取っていなかったようだ)
(負債比率今年6月1076%)
韓進海運の保有船団は141隻(自社所有64隻:傭船77隻・・・中央日報)。
(コンテナ船だけの船隻、傭船のバルク船は別途の報道もある)
9月4日現在うち68隻が未払い・滞納で運航停止状態(下記表)。

<韓進海運の未払・滞納金>
傭船料、荷役・運搬費、装備賃借料、入港料、燃料費など約6,500億ウォン(約600億円)。(内訳:傭船料約3,500億ウォン、運航にかかわる滞納が残る約3,000億ウォン)

<海運同盟から実質除名>
海運同盟CKYHEアライアンス(コスコ(中国)・川崎(日本)・陽明(台湾)・韓進(韓国)・エバーグリーン(台湾)
CKYHE(海運同盟)は31日、韓進海運の共同運行中止などを告知、事実上、ハンジンを「退出」させ、韓進の荷の共同輸送を断った。
このため、輸送費が高騰しているもの。すでにコスコンや陽明が太平洋航路を釜山経由にして、荒稼ぎの様相。

9月・10月は、秋の感謝祭(米11月第4木曜日)やクリスマス商戦へ向けての最後の追い込みの製造工場への部品・部材供給や製品の輸送が、年間を通して一番の繁忙期と重なっていることにも起因している。

<運賃価格の上昇・韓国企業に打撃>
韓進海運を利用していた多くの韓国企業にとって韓進海運の破綻は、中国やベトナム・東南アジア・北米・中南米に展開する韓国製造企業への本国からの部品・部材の供給が寸断され、製造がストップすることを意味する。そのため、韓国企業はいくら船賃が高騰しようと送る必要に迫られ、価格が高騰しているもの。
当然、韓国メーカーは、年末向けの北米や欧州などの企業と製品・商品の供給契約を締結しており、商品を送る責任も有している。

韓進海運の「法定管理」開始後、海運運賃が急騰。韓進海運の主力だった太平洋路線 と中東路線は60~69%、欧州路線の運賃も20~25%上昇、釜山~ドバイも60%上がっている。
40フィートコンテナあたり1100ドルだった釜山新港-米カリフォルニア州ロングビーチ港の運賃が、最大2000ドルと最大70%高となっている。
上海コンテナ運賃指数(SCFI)は9月2日(週に1回発表)、763.06(2009年10月運賃:1000)を記録し、先週の596.38より27.9%上昇している。3大海運アライアンス間の競争で今年3月には400ポイント台まで急落していた。(日本の海運株が上昇するのも頷ける)

<韓国政府の見通しの甘さ露見>
韓国政府の海洋水産部(省)は、昨年11月段階で韓国には2つの海運会社が必要とし、一方、金融当局や産業銀行は、韓進海運と現代商船との強制合併を模索していた。しかし、資金面からどれもこれもうまくいかなかった。
政府系の産業銀行等の債権団は、韓進海運が破綻した場合でも、韓国の物流量で占める割合は2%にすぎず、韓進海運の売り上げのうち国内物流は20%にしかならず、ほとんど問題は生じないと甘い判断を下していた。さにあらず・・・韓国の物流は大混乱を期している。

ちなみに、韓進海運に貨物を任せている荷主は約8300社に達し、貨物の価格は総額140億ドル(約1兆4500億円)に上るという。
韓進海運への海上輸送依存率は、サムスン電子は40%以上、LGエレクトロニクスは20%以上。

<現代商船コンテナ船13隻投入>
現代商船は、自社輸送船だけで目いっぱいであるとしていたが、傭船したのかコンテナ船13隻を9月8日から投入すると表明している。
一方、北米企業の荷主は、信用不安から韓国の韓進や現代を避ける動きに出ており、債権団=政府は、「現代商船は大丈夫だ」と表明する必要もあろう。

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<共同運航の世界の海運同盟>4大海運同盟(韓進除外前)
1、CKYHEアライアンス(COSCO,"K"LINE,Yangming,HANJIN,Evergreen) - 中国遠洋運輸集団(COSCO、中国、5位)、川崎汽船(日本)、陽明海運(台湾)、韓進海運(韓国、8位(コンテナ7位))、長栄海運(エバーグリーン、台湾、4位)
2、2Mアライアンス - A.P. モラー・マースク(デンマーク、1位)、MSC(スイス、2位)
3、G6アライアンス - 日本郵船(日本)、商船三井(日本)、ハパックロイド(en:Hapag-Lloyd ドイツ)、APL(シンガポール、7位)、現代商船(HMM、韓国)、OOCL(香港)
4、O3アライアンス - CMA CGM(フランス、3位)、中海コンテナ(中海発展/CSCL、中国)、UASC(UAE)(独ハパックロイドとUAEのUASCは2016年合併契約締結)
 

[ 2016年9月 6日 ]
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