アイコン 豊洲市場 当然ながら地下水から基準値以上の汚染物質検出

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東京都は29日、豊洲市場(江東区)の地下水のモニタリング調査で、環境基準を上回るベンゼン、ヒ素を初めて検出したと発表した。
小池百合子知事はモニタリング調査で安全性が確認できないと、移転を決定できないとしてきた。
同種の調査をやり直すことになれば、2年間かかるため、移転決定が2年以上延びる可能性も出てきた。
今回の化学物質の検出は地下に盛り土がなかった問題とは直接関係ない。
以上、

問題は、当3棟が今年3月に竣工し、都はゼネコンから5月に引き渡しを受けたものの、地下水をポンプで汲み出し、一定水位で制御をしておらず、水位が砕石層より上の浄化し埋め戻し層に、こうした汚染された地下水が再び汚染していることにある。

総敷地の1/3は市場棟などの建物で、地下が空洞だったとしても、総敷地の2/3に当たる部分の道路や駐車場などに利用される部分の土壌が、浄化された盛り土層(2.0m-砕石層の厚さ(0.6~1.2m))がすでに地下水に汚染され、その汚染された浄化盛り土層から、新たに盛り土された2.5メートルの厚さの盛り土部分へ、毛細管現象で汚染が上昇していることが当然考えられる。

<専門家会議のいい加減さ>
専門家会議の座長であった平田氏は、都当局がどこから採取したか不明の地下空洞の溜まり水が規制値以下だったことから、まったく問題ない水準だと、いいかげんな発言をしている。しかし、すでに公明党の調査では規制値以上になった報告がなされていたにもかかわらずだ。

 (汚染物質の濃い所在地は判明しており、全敷地を一律2メートル掘り下げるとは・・・、仲卸棟などの特に濃い汚染地は5メートルくらい掘り下げてもよかったのではなかろうか)

<すでに提言内容の前提が崩れている>
前回も記載したとおり、地下水は長時間をかけ敷地全体で上昇し、砕石層より上まで上昇している。濃い汚染地は当初のメッシュ法による検査でほぼ確定しており、専門家会議は、土壌剥がしを行わなかった地下滞水層が汚染されていることを前提に盛り土方式を提言している。
砕石層は、滞水層の汚染物質が、浄化して埋め戻した土壌に伝搬しないように設けられている。専門家会議が、膨大な費用をかけ造らせた砕石層であるが、前提となる滞水層の汚染地下水
が、砕石層に留まらず、膨大な費用をかけわざわざ浄化した埋め戻し土を再び汚染していることにある。
平田氏は、そのことには一切触れず、全体的に問題ないという合格点を与えてしまった。
ならば、すべての土壌汚染問題は、コンクリやアスファルトを厚めに打設したら問題ないということにもなる。砕石層など設けさせる必要もない。

現状、コンクリの打設(卸棟・仲卸棟)でも地下水がコンクリを浸透し浮上している。

そもそも、引渡しを受ける前の日建設計の設計検査や都の施主検査で、当提言の前提となっている地下水の汲み上げポンプが有効に機能しているのか、水位は一定に保たれているのかのチェックが必要であった。
しかし、平田氏によれば、そうしたポンプもまだ工事中であり、10月に汲み上げ開始すれば、空洞内の地下水も下がり、問題ないとおっしゃる。・・・こちらの脳味噌がおかしくなってくる。

いい加減さもここまでくれば、お手上げ状態だ。
例え、空洞内の水が引いたとしても、汚染された地下空洞の汚泥は、そのまま固まるかサラサラ状態で乾燥する。その汚染物質を、当初のメッシュ法に基づき検査すれば、当然、当初検査の濃い汚染場所近くの乾燥物質には、規制値以上の値が出てくるのは必然だろう。それを公表するかしないかは都の方針となろうが、公表すれば、豊洲市場の被害は甚大なものになる。

当工事では、都の中央市場の建設部門が担当しているが、素人ばかりなのだろうか。しかし、素人ならば、さらに許される問題ではない。担当の設計会社も土壌汚染の対策工事ではプロであり、外部には専門の土木コンサルがいくらでもいる。学者先生もいっぱいいる。都には豊洲市場工事の全体を見れる器の人もいなかったようだ。

こうして見ると専門家会議も技術会議もいい加減なもののようだ。
というより、汚染問題で反対する勢力やマスコミに対して、石原都政が、形式的に専門家会議や技術会議を設けたというのが本音だろうか。

もう一つの疑問点は、設計会社の変更である。通常ならば、最初から取り掛かっている設計会社が、よほどの瑕疵がない限り、引き続き設計を担当するのが建設業界の常識であるが、2011年3月に日建設計に変更されている。
以前、建設業界に従事していた記者としては、設計会社の変更は、何か意図して強い力が働いたとしか言いようがないというのが実感である。

また、実務的にも、日建設計は都から設計と設計監理を受注しており、地下水の水位と砕石層の存在との関係を理解していなかったとしたら、日本を代表する設計会社の不都合な問題としか言いようがなかろう。(空洞式ではないが、中央市場のHPにいくらでも掲載されている)

[ 2016年9月30日 ]
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