アイコン 陥没 問題の8月の設計変更会議 専門委員会は九大主導 樗木武委員長

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「福岡市地下鉄七隈線建設技術専門委員会」(委員長:樗木武九州大学名誉教授、8人構成、九大3人ほか鉄道機構やJR九州などのメンバーで構成、九大3人を除き異動などでメンバーは交代している)

<ナトム工法は市交通局が会議資料に掲載していた>
2013年2月開催の専門委員会で、市交通局側がナトム工法を示し、その後の会議でナトム工法がそのまま受け入れられていた。
(市交通局は、誰の入れ知恵でナトム工法を決定して会議に提出したのかは不明)

<2016年8月30日の工事設計変更会議>
<会議に至る経緯>

陥没事故が発生した福岡市営地下鉄・七隈線の博多駅前の事故現場付近の延伸工事では、当初、地下水がしみ出すことを防ぐため、薬剤を注入することが決まっていた。
しかし、今年8月に、ナトム工法で工事を行っている大成建設側から、地質調査の結果、水を通さない岩盤層の位置が想定と異なることが分かり、より慎重に工事を進めるため、トンネルの位置を下げたり、補強のための鋼材を増やす方法に変更する案が市交通局側に提出された。

<技術専門委員会>
それを受け、市交通局は、2016年8月30日に専門家委員会を招集、90センチ下げて掘ることを提案し、承認された。
その会議内容は次のとおり。
福岡市交通局は、地質調査の結果、水を通さない岩盤層の位置が想定と異なることが分かったことから、当初予定していたトンネル天井部の高さを90センチ下げることを、集まった6人の専門委員に提案した。

地質調査の結果をみた専門家は次のように指摘した。
専門家(九大の先生)は、「上の層はそんなに良くない岩質だったから、注意深く行わないといけない。掘削に伴って地盤沈下が起きればかなり危ない」と指摘したうえで、「設計を変更し、トンネルの位置を下げたとしても心配だ」と発言していた。

別の専門家は、「地盤(=岩盤)はかなりボロボロの岩であった。工事でどのような亀裂が入るか予測するのは難しい」としたうえで、「亀裂によって、土砂部と岩盤部の地下水がつながってしまうと、地面の沈下につながる」と指摘した。

委員長
「だから下げたのではないか」

などの論議の結果、委員会は慎重な施工を求めた上で設計変更による工事の継続を認めた。
その2ヶ月後、道路は沈下にとどまらず陥没してしまった。

樗木武九州大学名誉教授(1939生)
1962年:九州大学工学部土木工学科卒業
1969年:九州大学助教授(工学部土木工学科)
1982年:九州大学工学部教授
環境システム工学研究センター長
2002年:九州大学名誉教授
2005年:財団法人福岡アジア都市研究所理事長(現顧問)
トンネル力学の学問的体系化および土木計画学、交通計画学、都市計画に関する基礎的研究。著作多数。もうお歳。
以上、

土木工学の専門家であろうと、地質学者の意見を全面的に取り入れたうえで、土木工事計画を立てるべきだろう。委員長が名誉教授であり土木工学の権威、「だから下げたのではないか」と一蹴されれば、九大のほか専門家たちはそれ以上の問題提起はできなかったようだ。
九大ではまだまだ御用(名誉)教授らが権威と権力を持っている。

<今後も懸念される地下水の圧力>
現場の地下水の水位は約2メール、さらに西北へ400メートル(キヤナル駅)ほど行けば約1メートルとなる。海に近い天神側に行くほど水位は少なくなることが、市交通局の資料に掲載されている。
さらに、現場付近は岩盤が隆起しているが、西側からすぐ沈み始めている。
ということは、東南の山側の博多駅方面から、西北方面に地下水の圧力がかかることになる。
その一部を立坑や連絡坑(140メートル)や工事中のトンネルが遮断しており、現場一帯にかなりの水圧がかかっていることにもなる。
その強烈な圧力により、トンネル工場上部の岩盤に亀裂が生じたことにより、一瞬のうちに陥没してしまったと見られている。大規模になったのは、掘削中のトンネルや連絡坑という土砂の逃げ場ができていたことによる。地震のときの土壌の液状化現象と同じことが生じた。
当地の地下20メートル前後にある岩盤は、陥没現場から西方の警固断層(700m程度)へ向かい50~60メール沈んでいる。上部の層の厚さもそれぞれ厚くなったり、新たな地層も出てくる。

参考、福岡市交通局の地盤に関する資料
http://subway.city.fukuoka.lg.jp/

<地質の判断>
福岡市の資料では
有識者の見方
盛土・埋土
盛土・埋土
砂質土
砂層(地下水有)
d砂質土
粘土層
砂礫層
砂礫層
岩盤
柔らか岩盤
 
岩盤
 
九大の先生は、福岡県西方沖地震後福岡市内で3000本の活断層調査のボーリングを行った調査データをもとに、当地の岩盤は約40万年前に隆起しその後風化、その上に砂層・砂礫層が堆積した地層であり、岩盤上部は柔らかくなった層と証言している。現場を調査したことがある日本応用地質学会の名誉会員も同じような話をしている。
地質学的には上位から、大坪砂礫層、須崎層、仲原礫層、(第四紀層、その下位の基盤岩は主に古第三紀堆積岩、石炭層を含む砂岩・泥岩・礫岩からなり福岡層群と呼ばれている。
福岡市や周辺(宇美炭鉱・志免炭鉱・西公園・姪浜炭鉱)は産炭地で過去知られている。・・・もろい。
 
1209_03.jpg
 
福岡市の資料では
有識者の見方
盛土・埋土
盛土・埋土
砂質土
砂層
d砂質土
粘土層
砂礫層
砂礫層
岩盤
柔らか岩盤
参考:下記図
岩盤


工事全現場の地層説明図(市交通局資料)1209_04.jpg
 

[ 2016年12月 9日 ]
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