アイコン インドネシア首都移転 中国AIIB資金を投入へ

 

 

中国が主導する国際開発金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は26日、インドネシアの首都移転計画に融資する用意があると述べた。

インドネシア政府は、人口が集中し過密状態のジャカルタからボルネオ島に首都機能を移す計画を発表している。
初期計画では、移転費用は330億ドルと見積もられ、インドネシア政府は、公的資金と民間からの投資でまかないたいと考えている。
以上、
 
インドネシアへは戦略的には進出すべきではなかったろうが、当時の前政権は親日派だったこと、日本企業の最大の進出国タイの政情不安および経済低迷により、人口の多さも魅力、インドネシアへ大挙して進出した日本の企業だった。
現在のジョコ政権は、元首相のネガワティ率いる闘争民主党政権であり、ネガワティは親中国派として政治を司り、いまだ中国とは近い関係にある。
ジョコ大統領の就任早々、インドネシア新幹線工事を中国へプレゼントしたのがその証でもあろう。
 
庶民出身で元ジャカルタ市長だったジョコ自身はそれほど党派色はないが、闘争民主党の党員であり、かつ選挙母体、ネガワティには従わざるを得ない関係にある。
オラウータンで知られるボルネオ島、また自然破壊の首都移転となる。
 
インドネシアは、インフラ投資を極端に行っており、輸出より輸入が多く、さりとて経常収支も赤では外貨は限られ、国際金融不安ではいち早く反応する国でもある。
日本企業が最近完成させたインドネシア地下鉄工事もイチャモンを付けたのか、ゼネコンへの支払いを遅延させていた。ODA予算も入っており、入金遅延でゼネコンが値引きしていたら日本国の負けではないだろうか。
 
韓国とは非常に近く、リーマンショック前、鉄鉱石価格が高騰時、ボスコが鉄鉱石に付加価値に付けるとして溶鉱炉を設置し禁輸措置をとらせた途端、リーマンバブルが崩壊、その間、1年間あまりインドネシアは高価格での鉄鉱石輸出をせず儲け損ねた。ボスコの溶鉱炉が開設当初事故ばかりでなかなか立ち上がらなかったことに起因していた。
そんなこんなで、韓国からFA-50軽戦闘爆撃機や最近では潜水艦も輸出し、韓国の次世代戦闘機K-FXの開発もインドネシアとの共同開発事業となっている。
(インドネシアは政権が保革でコロコロ変わり、米国は最新式兵器の輸出はしてない。ロシアからも戦闘機等輸入し、兵器は両陣営から輸入。韓国製のFA-50はロッキードのライセンス生産なっている)
 
首都移転は、当初から中国の計画に乗っている可能性も否定できない。
膨大な費用がかかる首都移転を財務的に厳しいインドネシアにあり、現実的ではない。
中国としては、その間にインドネシアに対して借金の漬物国にしてしまえば、南シナ海の九段線覇権を優位に進められ、ASEANでの発言権から中国批判をかわすこともできる。ジョコは人気があり長期政権を築く可能性が大であり、中国が策略を練り、誘いを入れた可能性が高いと見る。
 
日本政府は、現在のインドネシアは戦略的な相手国でもなく、政権が親日かどうかで対応しているようだ。

 

インドネシア経済/JETRO
 
2016年
2017年
2018年
実質GDP成長率
5.0(%)
5.1(%)
5.2(%)
一人当りの名目GDP
3,604(ドル)
3,876(ドル)
3,871(ドル)
鉱工業生産指数伸び率
2.1(%)
3.5(%)
6.8(%)
消費者物価上昇率
3.0(%)
3.8(%)
3.2(%)
失業率
5.6(%)
5.5(%)
5.3(%)
輸出額(百万ドル)
144,490
168,828
180,095
輸入額(々)
135,653
156,986
188,711
貿易収支(々)
8,837
11,842
-8,616
経常収支(国際収支)(々)
-16,952
-16,196
-31,046
外貨準備高(々)
116,362
130,196
120,654
対外債務残高(々)
317,086
352,469
377,598
政策金利
4.8(%)
4.3(%)
6.0(%)
対米ドルレート
13,307(ルピア)
13,398(ルピア)
14,267(ルピア)

外貨準備高は、輸入の3ヶ月分+短期国際間負債額などが最低必要となるが、中国の借金の漬物作戦は国家の軍事覇権戦略であり、相手国の財務体質などまったく関係ない。
  中国との関係が深いパキスタンも同様、外貨不足が懸念されているが、中国様が対インド対策でいくらでも貸し付けてくれることから、熟成漬物国になっている。

[ 2019年11月27日 ]

 

 

 


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