アイコン 韓国の嘆き節 液晶が中国により淘汰され・・・次はOLEDか

Posted:[ 2019年9月21日 ]



韓国の中央日報は19日、「韓国のディスプレー産業の競争力がますます懸念されている」と報じた。
記事は、「全世界のディスプレー市場の規模は、年間130兆ウォン(約11兆72百億円)ほどで、ニーズとして最も多いのはテレビやスマートフォンといった製品。
韓国企業のサムスン電子とLGディスプレーは同市場において40%以上のシェアを占めており、これまでずっと世界1位になってきた」と説明している。
一方で、「この状況は数年前から少しずつ変化している」と指摘し、「中国で10社あまりの企業が液晶ディスプレー(LCD)の生産ラインを構築し始め、2018年には量産に乗り出した。それらの企業がし烈な価格競争をもたらしている」とした。

続けて、「中国は2014年頃からディスプレー産業を戦略産業に指定し、重点的な育成を行っている」と指摘。
代表的なメーカーとしてBOEテクノロジーグループ(京東方)を挙げ、「同社は安徽省合肥での工場新設に600億元(約91百億円)を費やしたが、自己調達した資金はそのうち5%ほどで、あとの50%を地方政府の公共基金から、40%を国有銀行の融資から補った。
そのため、同社は市場で韓国企業の商品よりも20%ほど安価な液晶ディスプレーを売り出すことができた」とした。

記事によると、韓国ディスプレー学会(KIDS)の柳在秀会長はこうした状況を受け、「韓国は暫定的にOLED(発光素材に有機物質を使ったLED)分野における優位性を維持しているものの、2~3年のうちに中国に追いつかれることが予想される」とし、「韓国企業は新時代の技術に対する投資スピードを早め、市場を掌握し、中国企業に追いつかれる前に新たな市場に参入すべきだ」などとコメントしたという。
以上、



中国BOEは、LCD液晶の1枚の大きさで韓国勢を追い越した。商品サイズにカットした場合、1枚あたりの製造コストで韓国勢はかなわなくなることに、この記事のベースにある。

<<2014年12月の記事>>

<韓国の6大産業が中国勢に食われた>
韓国・全国経済人連合会が8日に発表した研究結果で、スマートフォン、自動車、造船、石油化学、石油精製、鋼鉄の6大産業の世界シェアがいずれも中国を下回ったことが明らかになったと亜州経済が8日報じていた。

<スマホ>
スマートフォンの世界市場シェアについて、サムスンをはじめとする韓国企業のシェアは30.1%で、小米や華為、聯想(レノボ)を主力とする中国企業のシェアの31.3%を下回った。

<自動車>
自動車分野では2009年に中国に抜かれ、2013年のシェアは中国が12.5%だったのに対して韓国は9.8%にとどまった。
(韓国のマスコミは一部を取り上げ、韓国万歳と誇張して取り上げる習性があるが、結果は販売台数や業績の数値が表す)

<石油化学>
石油化学分野では、2003年には中韓それぞれ5.3%前後とほぼ同水準だったエチレン生産量が、2013年には中国が12.2%とシェアを伸ばしたのに対して、韓国は5.4%とほぼ変化しておらず、大きく差が開いた。

<石油精製>
石油精製でも中国が10年間で約7ポイントシェアを増やしたのに対し、韓国は0.2ポイントしか増えておらず、その差は拡大した。

<造船>
造船分野では、新規受注量、造船工事完成量、保有受注量の3大指標で中国がいずれも世界一になっており、韓国は高付加価値船舶へと戦略の転換を迫られている。
(今日、韓国勢は、LNG運搬船ではその強さをまだ見せているが、世界景気低迷により、発注量が限られ、受注競争から利益も限られるものになっている。(リーマンショック後、韓国勢どうしで安値受注競争を展開、納品時の2015年には巨額赤字をビッグ3とも露呈させていた)
(LNG船も中国には中国最大の海運会社と合弁した川崎重工が進出しており、シベリア産LNGの運搬船では優位にたとう。)

<製鉄・鋼鉄>
鋼鉄は中国が2003年に22.9%だったシェアを2013年には48.5%へと激増させた。一方、韓国のシェアは4.8%から4.1%へと減少した。

以上の6大産業以外では、半導体やディスプレー分野において韓国が依然として中国をリードしているものの、成長ペースでは中国が大きく上回っており、やはり予断を許さない状況だという。

同連合会の関係者は、「韓国企業は、差別化を図れる事業分野の発掘に力を注ぐ必要がある。娯楽、健康などを新たな主力産業として、その研究開発に投資すべきだ」とコメントした。
以上、( )内はJC-NET記者記載

2019年9月現在、2016年から急激に上昇した半導体需要により韓国半導体企業2社は急成長を遂げ、得意とする汎用性のメモリー系半導体の大増産に踏み切ったが、米中貿易戦争もあり、供給過剰で単価の大幅下落、2018年9月にピークアウトしている。

韓国は日本のように世界産業を細分化した中で、どれほどシェア№1製品があるのだろうか。

<経済音痴の文大統領、少しずつわかってきたようだ>
予告される日韓貿易戦争において、韓国の文大統領は日本から輸入している部品や部材について全部国産化すると宣言し、日本に勝利すると打ち上げた。しかし、今では知的財産権問題がクローズアップされる世、これまでのように日本企業製品を真似たり、盗んだりしてきた製造技術が簡単には利用できなくなっている。
文在寅大統領自身が、それを認め、結局は特許問題だと嘆き、日本の特許にかからない別の製造方式を編み出すよう発言している。
また、ドイツへ高官を派遣し、ドイツの素材メーカーに対して韓国に工場投資するよう求めている。
(日本企業は、韓国政府命で日本企業を外すことを韓国企業が前提にしているのであれば、これまでの設備投資費用など回収する必要があり、日本企業は納品価格を倍以上に引き上げることも検討されよう。)

韓国を代表する製鉄会社のポスコは、育ての親でもある新日鉄から方向性電磁鋼板製造技術を盗み出し、SKが東芝のNAND製造技術を盗んだことは世界にすでに周知された事実。

韓国企業の盗み癖は、韓国の未来産業でもある車両用二次電池においてもしかり、LG(化学)が、SK(インダストリー)が技術を盗んだとし、米国と韓国で裁判を起こし、審理中である。

<サムスン電子>
サムスン電子は、中国の台頭によりスマホで利益が取れなくなる中、運よく2016年の年初から半導体市場が急拡大、巨額の利益を得てきたが、2018年9月、メモリー型半導体の宿命である需給バランス問題に直面し、同社は価格変動がほとんどないシステム半導体にシフトすると宣言した。
ただ、システム半導体を支えるソフト部門は米国勢(ファブレスメーカー/関係ベンチャー企業も山のように多い)が押さえており、取り掛かったシステム半導体のファンドリー事業から抜け出せない可能性もある。

ファンドリー事業では台湾+中国連合艦隊を前に価格競争に陥り、巨漢となったサムスン電子の屋台骨を支える収益頭にするには限界がある。
メモリー市場では中国が台頭してくることから、サムスンにしても安住の半導体ではない。

ディスプレー部門では、液晶において韓国勢は中国勢に追い抜かれたことが明確となった。
有機EL部門(OELD)も時間の問題。
歩留まりの問題から、中国勢は国産スマホ用に需要がある小型OLEDを重点戦略においており、まずはスマホ用に強いサムスン電子がターゲットになる。

LGのOLEDディスプレーは、主力を大型のTV・映像用にシフトしており、現在のところ独占的な優位性があるものの3~5年の間には、駆逐されることになる。
国家が巨額支援する中国勢にかなうことはない。

日本は(駆逐された)繊維産業時代からそれを悟り、中国進出すると共に、長い年月をかけ、顧客のニーズに応える中で技術を蓄積させ進化させ続け、技術も蓄積させてきた。日本の部品・部材メーカーは、これまで中国勢や韓国勢・米国勢・台湾勢の勢いに乗り、ニッチな分野で、世界シェアを確立してきた。

韓国の財閥系企業は、利益への臭覚とスピード感は圧倒しているものの、技術の蓄積は限られ、大学や研究機関のバックヤードも限られる。
ましてや、韓国という国を牽引する産業ともなれば、さらに限られる。過度な輸出型経済からの脱皮が必要だろうが、油断すれば、中国勢にほとんど食われてしまうおそれもある。

ベトナムなど海外進出企業は生き残れようが、韓国の輸出が縮小すれば、貿易収支問題に直面し、為替安を誘引し国家財政問題に発展する。

これまでの動きを、「中国と韓国との一体経済」とみなせば、構造変化が起きており、今後、ダイナミックな動きで構造調整が行われることになる。

日本企業としては、自社製品を磨き続け、新たな開発品を提案し続け、そうした素材・部品を韓国勢に売るも中国勢に売るもベトナムに売るも、台湾勢に売るも一緒のことだ。

(日本のリスク:ただ、アベノミクスを牽引する日本政府は、票につながる公共投資を肥大化させ続ける中、票に繋がらない公共研究機関の研究予算は、小泉時代の聖域なき削減を現在でも続け、大学の研究者の多くが非正規雇用で生き延びている現実がある。明日の日本のR&Dに明るさはまったくない。・・・日本のR&Dバックヤードは政府が自らの手で死滅させている)
 

 


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