アイコン 韓国への進出製造業の留意点 調査・満足度半分に低下

Posted:[ 2019年11月 7日 ]



韓国に投資した外国企業の経営環境に対する満足度が年々低下している。韓国の経営環境に「満足している」との回答は最近6年間で半分にまで減少した。

大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が発行した「2019外国人投資企業経営環境障害調査報告書」によると、韓国に進出した外国人投資企業の従業員に対するアンケートで、回答者全体(345社)の26.7%が、全般的経営環境に「満足だ」と答えた。「普通」との回答が60.6%で最も多く、「不満足」「分からない・無回答」がいずれも6.4%だった。

外国人投資企業に対するアンケート調査は2年ごとに実施されるが、今年の数値を2013年の調査と比較すると、「満足だ」との回答は47.5%から▲20.8ポイントも低下した。

満足率が低下した原因は、
労務環境、研究開発・革新環境が不足しているためと分析された。それぞれ満足率は2013年調査で33%、32%だったが、今年の調査ではいずれも18.3%まで14ポイントも低下している。



労務環境の満足度は18.3%(不満+分からない+無回答が81.7%)、韓国の従業員の賃金水準が高く、また労組リスクが存在、
研究開発の満足度は18.3%(同81.7%)、地方で専門人材の確保が困難である点が不満足の原因として指摘された。
知的財産権保護の満足度は21.7%(同78.3%)、
税務の満足度は26.1%(同73.9%)、
規制の満足度は26.7%(同73.3%)、
行政に対する満足度は29.8%(同70.2%)などに対する満足度が低く、不満等が圧倒している。
これに対し、
立地の満足度は43.2%、
物流の満足度は35.7%
金融の満足度は31.7%
などに対しては、相対的に高くなっている。
外国人投資企業が「韓国政府が真っ先に改善すべき優先課題」として挙げたのは、規制環境の42.3%と労務環境の37.1%だった。

<外資在韓企業の今後の投資>
今後韓国に対して投資を拡大するとの回答は18.8%で、2年前の調査21.22%に比べ▲2.4ポイント低下した。
これに対し、縮小するとの回答は11.9%で+2.9ポイント増加している。
現在の水準を維持するとの回答は62.9%だった。
以上、

外部環境
世界経済の停滞、FTA締結のEU経済低迷

中国とのパイプが強い韓国にあり米中貿易戦争における中国経済の低迷、
EUや中国への直接・間接の輸出窓口として韓国に進出している外資企業が多く、世界経済・中国、EUの経済低迷という外部環境の悪さが底辺にある。

韓国内部環境
また、企業環境は、左派の文政権になり、労務コスト大幅上昇、文政権で勢い増す労組の脅威、各種規制強化の動きは、韓国での経営環境であり、是正されるべきだろうが、規制緩和を謳う文政権になり、逆に強化されている。

韓国進出の日系企業の製造工場のリスク
このほかに日系企業には、水面下で元徴用工判決問題から戦前からある母体企業の系統会社は差し押さえリスクも存在する。それに加え、日本政府の戦略物資輸出の規制強化により、日本からの材料・部品調達がタイムリーに入ってこないリスクも今後想定される。
また、ボイコットジャパンという民族的なリスク=カントリーリスクもある。北朝鮮リスクも当然ある。
今年上半期の外資系の韓国進出は前年比で37%減少している。
企業は進出したら、よほどのことが生じない限り撤退などしないが、韓国では保守と左派のギャップが異常に大きく、5年任期一代限りの大統領戦による政権交代リスクも大きい。
日本企業にとっては、さらに、保守・左派にかかわらず韓国大統領は反日政策を利用し支持率上昇を常に目論む。

その他
韓国の製造業者も、経営環境は同じ、労務コストの急上昇、労組リスクを抱え、また内需はデフレ傾向が鮮明になりつつあり、より原価を抑えるため、ベトナムやフィリピンに逃げ出している。
LGさえ国内のスマホ工場を今年からベトナム工場へ移転させ、収益を大幅に改善させている。

韓国銀行も、ウォン安は輸入コストを押し上げ、内需に悪影響を及ぼすことから、必死に介入を続け、8月のドル1200ウォン台を今日までに1150ウォン台までウォン高にシフトさせ、今年4月以前の1130ウォン台に近づけてきている。
ただ、韓国から輸出する外資も含め製造企業はウォン安を歓迎しているが限度というものもある。

 

 


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