アイコン 食堂のおばちゃん「松本清張賞」受賞 初の長編作品「月下上海」

松本清張賞受賞した食堂のおばちゃん日本文学振興会が主催する文学賞「第20回松本清張賞」に、東京都内の新聞配達組合の従業員食堂で働く山口恵以子さん(55)の作品「月下上海」が595編の中から選ばれ、21日、東京で授賞式が行われた。授賞式では賞金500万円の目録などが贈られた。
「月下上海」は、山口さんが働きながら執筆した初めての長編小説。戦時統制下にあった昭和17年の上海を舞台に、スパイ活動に手を染めたヒロインの財閥令嬢と4人の男性を巡って、謀略とロマンスが交錯するストーリー。
審査員評価では、緻密な取材に裏付けられた時代考証や、苦難の中で力強く生き抜くヒロインの心理描写などが高く評価された。

授賞式で山口さんは、「清張さんのような大流行作家になるのか、趣味で小説を書く食堂のおばちゃんで終わってしまうのか、神のみぞ知るですが、どんな道を歩んでも書き続けていく私をこの賞が見守ってくれると思います」とスピーチ。

山口さんは、今後も食堂での仕事を続けながら作品を書き続けるという。

山口さんは早大文学部卒。漫画家を目指した学生時代、編集者から「話は面白いけど絵が下手」と言われ断念。就職した宝飾会社は倒産。派遣の仕事をしつつ、30代で、松竹シナリオ研究所で学んだ。
 テレビの2時間ドラマのプロット(構想・枠組み)を数多く手掛けたものの、脚本家の芽も出ない。
2002年そうしたところに 「好きな料理の仕事ができ、時給も高い」と新聞の求人欄を見て従業員食堂のパートとなった。後に正規職員となり、調理師免許も取得。収入と身分が安定すると心に余裕も生まれた。主に休日に40代で小説を書き始めた。
2007年から時代小説や短編ミステリーを発表している。山口さんが腰を据えて書いた初めての長編作品が受賞した「月下上海」。

山口恵以子さい曰く「始めるのに、遅いことは何もない」。

[ 2013年6月22日 ]
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