熊本の製薬会社「化血研」が、人の血液製剤を４０年間も国の承認とは異なる方法で製造していた問題で、化血研が動物用医薬品についても国が承認したのと異なる方法で製造していたことが分かり、農水省が９日朝から熊本市の本社で立ち入り検査を行った。

農水省が立入検査を行ったのは、熊本市にある「化血研」、「化学及血清療法研究所」の本社で、９日午前８時ごろから農水省の担当者が入った。
「化血研」は、人の治療に使われる血液製剤を長年にわたって国の承認とは異なる方法で製造し、組織的な隠蔽を謀っていたとして、先週厚労省が立入検査を行った。

農水省では今年２月、化血研からの報告を受けて調査を行ったところ、牛や豚に下痢や流産などを引き起こす感染症のための動物用ワクチンなど約３０種類について、国の承認とは異なる方法で製造していたことが分かったという。
化血研では、該当する動物用の医薬品について手順を変更する手続きを進めているが、一部の製品については現在も出荷を自粛しているという。
また、すでに出荷された動物用ワクチンなどについては、別途、国の検定を受けていることから安全性には問題はないという。
農水省では立入検査の結果などを踏まえ、今後の対応を検討することにしている。
以上、