アイコン GDPは投資用賃貸マンションが牽引

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4~6月期のGDPが前期比年率換算0.2%増と発表されたが、個人消費が低迷、輸出も東南アジア・中国経済の低迷からマイナスになる中、民間住宅投資が同比21.6%増と際立っている。
しかし、季節調整済の0.2%増であるにもかかわらず、季節調整をしない住宅着工戸数で見た場合でも、前期比(1~.3月)14.1%増であり、平準化する季節調整ではその数値はさらに落ち込むと見られる。着工ではなく販売高としても21.6%増の数値根拠が不明。

アベノミクス下、超低金利・大金融緩和による市場への資金タレ流しにより、資産家や投資家は、税法改正による相続税対策もあり、賃貸アパートや賃貸マンションの着工戸数を大幅に増加させている。
今4~6月のGDPの0.2%の伸びも賃貸マンションの伸びによるものと見られる。

分譲マンションは、大都市圏に集中するが、東日本大震災の復興投資と一般公共投資の大幅増加により、需給バランスが崩れ、資材高と建設技術労働者の賃金高騰を招き、また、地価も上がり、販売価格が高くなり過ぎて売れなくなり、着工戸数も減少している。

一方、賃貸マンションも地価も含め建築コストは高騰しているものの、相続税対策需要が岩盤となり、建築コスト高を飲み込んで増加している。

アベノミクスが、日本の住生活をどう導こうとしているのか不明であるが、非正規雇用ばかりが増加させており、将来にわたり家が買えそうにない人たちばかりを増加させ、賃貸マンションや賃貸アパートに押し込める算段なのだろうか。今となっては、低価格住宅を提供するパワービルダーの存在は光明かもしれない。

すでに、リーマンショック以前に建てられた多くの賃貸マンションは、場所にもよるが値崩れを起こすほど需給バランスが崩れ、新規賃貸マンションの入居率も悪化や利回りの低下を招いているとも伝えられている。

経済面でも、住宅着工戸数において間取りが小さい賃貸物件ばかり増加しても経済波及効果は、注文住宅や分譲マンションなどより大幅に小さく、住宅着工戸数が増加しても経済の浮揚効果も限られているともいえる。
(下記表共通:前比=前年同月比・年同期比)

4~5月GDP 前期比年率換算
国内総生産=GDP
0.2
寄与度
国内需要
1.2
0.3
 民間需要
0.8
0.2
   民間消費支出
0.6
0.1
    持家帰属家賃除外
0.5
0.1
   民間住宅
21.3
0.1
   民間企業設備
-1.5
-0.1
 公的需要
2.4
0.1
   政府消費支出
0.9
0.0
   公的固定資産形成
9.5
0.1
輸出
-5.9
-0.3
輸入
-0.3
0.0
・前期とは1~3月、寄与度は季節調整済
2013年の住宅着工戸数の増加は、消費税増税(2014年4月)前の駆け込み需要の結果となっている。最近は全体を押し上げているのは賃貸物件の増加と断定できよう。

 

全国賃貸住宅 賃貸マンション・アパート・貸家の3ヶ年月別推移
 
12年
13年
2014年
2015年
2016年
 
戸数
戸数
戸数
前比
戸数
前比
戸数
前比
1~3
70,522
72,892
86,622
18.8%
82,771
-4.4%
87,731
6.0%
4~6
76,652
84,960
89,668
5.5%
94,411
5.3%
104,841
11.0%
7~9
79,851
92,452
87,140
-5.7%
101,539
16.5%
0
 
10~12
91,496
105,959
90,008
-15.1%
99,997
11.1%
0
 
年計
318,521
356,263
353,438
-0.8%
378,718
7.2%
192,572
8.6%

 

賃貸物件除く住宅着工戸数  前比=前年比
 
2013年
2014年
2015年
2016年
 
戸数
戸数
前比
戸数
前比
戸数
前比
1~3
136,822
130,321
-4.8%
122,381
-6.1%
128,659
5.1%
4~6
156,389
129,166
-17.4%
141,044
9.2%
142,238
0.8%
7~9
165,231
135,393
-18.1%
134,851
-0.4%
0
 
10~12
165,320
143,943
-12.9%
132,305
-8.1%
0
 
623,762
538,823
-13.6%
530,581
-1.5%
270,897
2.8%

 

4四半期ごとの住宅着工戸数
 
総戸数
賃貸除外
賃貸
賃貸比率
14/3
216,943
130321
86,622
39.9%
14/6
218,834
129166
89,668
41.0%
14/9
222,533
135393
87,140
39.2%
14/12
233,951
143943
90,008
38.5%
15/3
205,152
122381
82,771
40.3%
15/6
235,455
141044
94,411
40.1%
15/9
236,390
134851
101,599
43.0%
15/12
232,302
132305
99,997
43.0%
16/3
216,390
128659
87,731
40.5%
16/6
247,079
142238
104,841
42.4%
全住宅着工戸数に占める賃貸物件戸数は4割を突破してきている。
 
0816_03.jpg
 
分譲戸建ての着工戸数推移
 
2013
2014
2015
2016
戸数
戸数
戸数
前比
戸数
前比
1
10,561
10,530
9,511
-9.7
10,359
8.9
2
10,154
9,654
9,630
-0.2
10,602
10.1
3
10,495
10,044
9,887
-1.6
10,678
8.0
4
10,559
10,737
9,893
-7.9
10,933
10.5
5
10,881
10,026
9,148
-8.8
10,796
18.0
6
11,651
11,491
11,160
-2.9
11,279
1.1
7
11,305
10,882
10,587
-2.7
 
 
8
11,983
10,299
10,768
4.6
 
 
9
11,396
10,247
10,351
1.0
 
 
10
11,766
10,146
10,030
-1.1
 
 
11
12,111
10,602
11,471
8.2
 
 
12
12,026
10,763
11,188
3.9
 
 
年計
134,888
125,421
123,624
-1.4%
64,647
9.1%
前年比
 
-7.0%
 
 
 
 
昨年下半期から回復してきている。

 

全国分譲マンション年月別推移
 
12年
13年
14年
2015年
2016年
戸数
戸数
戸数
戸数
前比
戸数
前比
1
10,167
10,067
11,941
10,377
-13.1
8,383
-19.2
2
11,254
13,043
8,674
10,693
23.3
11,752
9.9
3
10,441
9,576
8,290
7,575
-8.6
11,290
49.0
4
13,734
10,718
8,902
11,071
24.4
11,936
7.8
5
9,688
12,893
7,307
11,322
54.9
11,236
-0.8
6
7,036
10,274
7,754
14,173
82.8
10,185
-28.1
7
9,920
10,320
9,011
7,424
-17.6
 
 
8
10,262
10,929
10,188
10,189
0.0
 
 
9
9,219
12,497
9,949
7,724
-22.4
 
 
10
10,334
8,509
10,495
8,690
-17.2
 
 
11
10,583
9,037
9,255
8,880
-4.1
 
 
12
10,516
9,736
8,709
7,534
-13.5
 
 
年計
123,154
127,599
110,475
115,652
4.7%
64,782
-0.7%
前年比
5.4%
3.6%
-13.5%
 
4.7%
 
-0.7%
昨年下半期から低迷している。

[ 2016年8月16日 ]
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