ドウテルテ大統領 南シナ海に軍配備と構築物建設命令 フィリピン
フィリピンのドゥテルテ大統領は6日、政府軍に対し、南シナ海に位置する南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)への配備を命じた。
南シナ海の戦略的要衝とされる南沙諸島周辺は、中国をはじめ複数の周辺国が領有権を主張する係争海域となっている。
南沙諸島に近いパラワン(Palawan)島にある軍のキャンプを訪れたドゥテルテ大統領は、報道陣に対し「全面的に占領するよう軍に命じた。構造物を建て、そこにフィリピン国旗を立てるのだ」と述べ、軍に構造物建設を命じたことを明かした。
また、南沙諸島のうち9~10ヶ所の島しょ・岩礁などについて、フィリピンは領有権を主張しているとも述べた。
一方、中国は、南シナ海に大昔の9段線を持ち出し、周辺国沿岸に近い海域や岩礁も含めて南シナ海の大半の領有権を主張、岩礁や珊瑚環礁に複数(8ヶ所)の人工島を建設し、そこに兵器(ミサイル基地)を配備している。
ドゥテルテ氏は「誰もがあの諸島を手に入れようとしているようだから、まだ、空いているうちに居座る方がいい。少なくとも現時点でわが国の領土である部分を確保し、そこはわが国のものだと強く主張すべきだ」と述べた。
さらに、フィリピンの独立記念日である6月12日に、自ら同海域を訪れる可能性があると述べた。
南シナ海の領有権問題について、ドゥテルテ氏は以前、非対立的なアプローチを取ることで中国政府との関係改善を模索してきたが、今回の発言は中国に対する姿勢に変化が現れたようにも見受けられる。
(ドウテルテの思い通りに、中国側が投資をしてこないことから変更したのだろう。中国は外貨準備高の減少や元安になる海外への資金持ち出しを大幅に規制強化している)
ただ、フィリピン国防省は後に声明を発表し、9ヶ所の島嶼・岩礁について、軍が滑走路を管理しているパグアサ島(Pag-asa Island、中国名:中業島、Thitu Island)も含めて海軍によって実効支配されている状態であるとし、「すでに領有下にあるもの」との考えを示している。
また、ドゥテルテ氏のプランは、南沙諸島における部隊の増強を意図したものと示唆し「大統領が建設を望んでいる施設は、宿舎、淡水化設備、下水処理システム、発電所、灯台、漁民の避難所といったもの」と述べている。
以上、AFP参照
フィリピンは、地の利を生かし、構造物を建て実効支配するのは早いもの勝ち。排他的経済水域も設けたらよろしかろう。
ベトナムは、南シナ海の実行支配地に昨年ロケット基地を設けた。ベトナムは西沙諸島では、ベトナム戦争前まで実効支配していた地も含め、中国にすべて占領されている。その後も西沙ではベトナム漁民への中国軍の攻撃などで何回も衝突している。
中国が本気で南シナ海を占領しようとするならば、当然、すでに実効支配しているベトナムやフィリピンほか沿岸国と戦争するしかない。
大昔の妄想を今時に唱える軍事覇権下の一帯一路戦略、占領でも、経済支配により朝貢外交をさせても達することはではない。相手があることだ。
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