アイコン 朝鮮危機 大陸間弾道ミサイルに大手をかけた金正恩

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きょうも、昨日に引き続いて北朝鮮の危機を(農と島のありんくりん)の管理人さんに感謝しながら、何度も「北朝鮮危機 大陸間弾道ミサイルに大手をかけた金正恩」読み返しています。

日本の国会議員さんは脳天気で幸せ者ばかりです。

森友、森友、総理、総理、昭江夫人がって叫んでたら飯が食えるんですから、日本の政治家は一度やったら止められんのでしょう。

日本の政治家というか、日本人のふりをしている政治家ですけど。

農と島のありんくりん
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移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する

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今までなんどとなく北朝鮮危機は叫ばれてきました。

しかし今回ほど切迫したトーンで、米国が警告を発することはなかったはずです。

それはタカ派のトランプだからだと思っている人もいるようですが、違います。

米国は今や、北朝鮮を甘く見ていたツケを、一括返済せねばならない事態に立ち至っているのです。

ほんの5年ほど前まで、多くの軍事専門家たちは北朝鮮が核実験をしたり、ミサイル発射するたびに、「騒ぐな。騒げば相手の思うつぼだ。北の脅威は低い」と言ってきましたが、いまやこの有り様です。

北朝鮮は弾道ミサイルの最高レベルである、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発成功に大手をかけています。

大陸間弾道ミサイル - Wikipedia

そして米国は、ニューヨークタイムズ(3月4日)によれば、飛来する北朝鮮の弾道ミサイルを防ぐ確率が驚くほど低いことを自覚しています。

米本土には、飛来するICBMを迎撃するためにアラスカとカリフォニア州にGBI(最新型ABM)を展開していますが、その過去の迎撃実験は56%失敗でした。

ABM(anti-ballistic missile)とは、弾道弾迎撃ミサイルのことです。

弾道弾迎撃ミサイル - Wikipedia
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GBI インターセプター http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams01/md-09a.html

アイゼンハワー政権以来、営々と3000億ドルもABMに注ぎ込んできましたが、これでは米国の大都市は守りきれぬとオバマは判断したわけです。

それが2014年前半のことだと言われています。

約6割の実験失敗のショックが、いかに大きかったかと拝察します。

しかもこれは予告された迎撃実験であって、奇襲攻撃をかけられた場合、眼も当てられない確率となることがわかったからです。

かくしてオバマはABMでの迎撃を諦め(撤去したわけではありませんが)、サイバー攻撃によって妨害する方法に転換しましたが、成功したかどうかははなはだ疑わしいとされています。

おそらく数回のムスダンの実験を失敗に終わらせましたが、北朝鮮はそれ以降米国のサイバー攻撃をブロックすることに成功したようです。

ちなみに北朝鮮のサイバー戦能力は、中国と共同して開発・実施されており、能力的には世界トップクラスの水準にあると見られています。

先日のミサイル実験の失敗もサイバー攻撃だという声が上がっていますが、たぶんただの技術的失敗でしょう。

つまり、飛来する北朝鮮の核ミサイルが複数あった場合、かならず数発は大都市に着弾するということです。

この「複数」という意味は、複数のミサイル本体ということを意味しません。
多弾頭弾道ミサイル(MIRV)のことです。

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http://www.gepr.org/ja/contents/20160425-02/

大陸間弾道ミサイルは、発射後地球の引力を振り切って大気圏外に出て、ミサイルの先端のキャニスターを開いて中に格納してあった複数の弾頭を放出します。

そして6発ていどの弾頭に別れて、各々の目標に突入しますが、このうちのいくつかにはデコイ(囮)が混ぜ込まれていて、いっそう迎撃を困難にします。

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多弾頭式核爆弾 同上

北朝鮮は、いまやこの多弾頭式弾道ミサイルの開発に成功しつつあると見られています。

さて、北朝鮮は3月19日、朝鮮中央通信を通じて「新型の大出力ロケット・エンジンの地上噴射実験に成功した」と発表しました。

この実験は、大変に大きな意味をもっています。正恩がたかだかエンジン実験で立ち会う意味を考えて下さい。

下の写真で正恩が見ている塔が、ロケット・エンジン実験塔です。今まで北朝鮮は、2016年4月、そして9月に既に2回ロケットエンジンの実験を行い、今回は3回目です。
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ロケットの専門家である鳥嶋真也氏によれば、まず去年4月のものは、ムスダンのエンジンを2基、束ねたものでした。

この中距離ロケット・エンジンを束ねて推力を増し、第2段、第3段を継ぎ足して長距離大型ミサイルに仕立てるという方法はよくとられる方法です。

次の9月の実験は、西側専門家に論議を呼びました。いままでの旧式ミサイル・エンジンから明らかに新型に進化したからです。

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このロケット・エンジンは、ロシアのRD-250の北朝鮮バージョンであると推測されています。

RD-250エンジンは、大陸間弾道ミサイル用エンジンです。
旧ソ連はRD-250ロケット・エンジンを使って「R-36」というICBMを開発した実績があります。

R-36 (ミサイル) - Wikipedia

このR-36ミサイルは、4トンから6トンの弾頭を、1万~1万5000kmまで飛ばす性能をもつ、いわゆる「重ICBM」に分類されるミサイルです。

http://www.geocities.jp/space_launches/LaunchVehicle/russia/Tsyklon.htm

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R-36ロケット

R-36は旧ソ連最大のミサイルとして君臨し、西側の恐怖の的となったロケットです。

これをフルコピー(一部異なる箇所がありますが)としても、これだけ短期間で完成させてしまう北朝鮮の技術力を侮ってはいけません。

国力を一点に集中し、人民に飯を食わせなければ、まぁなんでもできるということです。

現在北朝鮮は、核弾頭を1トンまで小型化する能力を有していると思われていますから、最大6発の子弾頭を搭載できることになります。

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このように、北朝鮮は凄まじい勢いで核武装国家の大手をかけようとしています。

そして米国はそれを防ぐ術がないのです。

今後、上の写真のようにこの新型ロケット・エンジンを搭載した大型ミサイルの発射実験をすると思われます。

これは液体燃料ですから、燃料注入に長時間を要するうえに、スカッドERのような隠蔽も不可能です。空爆に脆弱な一瞬です。

この時トランプがどうするのか、注目せねばなりません。

■謝辞 参考文献 鳥嶋真也「脅威増す北朝鮮のロケット技術――「新型ロケット・エンジン」の実力を読み解く」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170329-00134849-hbolz-int

 ■追記 北朝鮮は米中会談前日にミサイルを発射しました。

韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は5日午前6時42分ごろ、東部の咸鏡南道新浦(ハムギョンナムドシンポ)から日本海に向かって弾道ミサイル1発を発射した。

 飛距離は約60キロ。韓国軍はミサイルの種類などの分析を急ぐとともに警戒を強めている。(朝日4月5日 7時33分)

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[ 2017年4月 6日 ]

 

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