2月に専門家会議は提言を行い、爆発的感染ピークを回避し、緩やかな感染増加に押さえ、ピークを低く抑えるというものであった。2月23日に厚労省が発表した説明資料でもそのとおりとなっている。
それは一方で、医療崩壊を懸念してのものだった。日本では説明資料どおりに進捗し、4月の増加を見た。しかし、とたんに厚労省も専門家会議も医療崩壊を口にしだした。

3月19日の専門家会議の提言では、安倍首相の休校要請に対する危機感が国民に浸透して感染拡大はある程度抑えられていると提言した。

3月20日には、それを受け、安倍首相は休校要請の延長はないとまで発言した。
3月20日からの3連休、国民は花見に買物にどっと出かけた。
その1週間後から急速に感染が拡大した。
4月7日に7都府県に対して5月6日までの緊急事態宣言発令、4月16日全国へ拡大発令した。
5月4日までには、宣言期間を5月6日から5月31日までとか6月7日までとかに延長するという。延長するように専門家会議も要請している。

同会議は30代以上の外出率減が70%・80%に達していないとしている。
しかし、企業はテレワークを要請されているものの、テレワークが不可能な業種も多く、また、設備の問題も抱えている。外出禁止令が発令できないのならば、外出禁止令に準ずる外出自粛要請措置だと発言すれば、それなりに効果があろうが、あくまで自粛要請・協力・お願いとなっている。
選挙運動ではない。百年・2百年に一度の疫病である。器を小さくして取り掛かっても拉致が開くことはない。

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これまでの問題点は、
1、口だけの水際作戦
感染症対策は水際作戦だと2003年のSARS時代(安倍首相は当時副官房長官)から叫んでいたが、今回は、感染源国の中国からの入国を感染爆発地帯の湖北省に限った。また韓国の感染爆発を見て、韓国のテグ市と慶尚北道の一部および浙江省を追加しただけだった。(4月になり、ほとんどの国からの入国禁止もしくは2週間隔離要請)
肝心な水際作戦、入国時の感染検査は3月22日までに、1月16日に初めて日本で感染者が出たものの1,173件しか行われず(1日平均18件)、16人しか陽性者を見出すことができなかった。3月23日当日は36件実施し5人が陽性だった。
蛇口を開けたまま、水を止めることの困難さは計り知れない。
こうして海外からの入国者が感染を広めた。
帰国した日本人らが全国各地で発症し、家族感染などが相次いだ。名古屋で発生したハワイ旅行からの帰国者からの集団感染連鎖は典型的な例だろう。

2、感染検査のハードルの高さの問題
現在でも感染検査のハードルを①発熱37.5度以上が4日以上続き、かつ、②肺に異常があることを感染検査の基準にしている。
こうした基準を設けていることからこそ保健所や検査センターは、倦怠、味覚・臭覚異常、気管支異常などがある検査希望者が殺到しているにもかかわらず、対応に追われ、少々保健所の陣容を増加させても対応できずパニック状態が続いている。
厚労省が一元管理するのは到底無理、感染検査を受けてもらうかどうかの判断は町医師に任せるべきだろう。

問題は、感染者は発熱した時から発症しており感染力も増しているが、ほとんど放置していることにある。現在、東京だけでも4万人あまりの検査希望者がいるものの、PCR:検査を受けた人は1000人にも達していないと報道されている。

3、濃厚接触者の取り扱い
 厚労省は濃厚接触者を2種類に分類させている。家族や会社などの集団の中の濃濃厚接触者と濃厚接触者に分け、濃濃厚接触者のみ感染検査を実施している。ほかの濃厚接触者は健康観測措置を取り、普段どおりの生活もしくは自己隔離を要請し、発症しなければその措置も解除される。あくまでも発熱を前提としている。
 問題は、無発症感染者も感染力を持ち、みすみす街中に放置したままにし、感染を拡大させる原動力にしている。

2と3については、後日、大規模な抗体検査で明らかになろうが、すでにオーバーシュートしている可能性を示唆するデータもある。

感染症に詳しい久住英二医師が、新型コロナウイルスの感染実態を調べるため、東京都内でウイルス抗体検査をしたところ、一般市民の4.8%、医療従事者の9.1%が陽性(抗体あり)で、過去に感染していたことが分かった。
感染症に詳しい久住医師は自前で行った抗体検査で、「現行のPCR検査で判明する感染者よりはるかに多く感染している可能性が高く、確実にまん延していると言える」と指摘している。
同医師が理事長を務める新宿区と立川市のクリニックで、HPで希望者を募り、20~80歳の男性123人、女性79人に対して抗体検査を実施。
検査結果、一般市民の147人の4.8%にあたる7人が陽性、医療従事者55人のうち9.1%の5人が陽性だった。市民・医療従事者を合計した202人全体では5.9%の12人(男女とも6人)が陽性だった。
慶応大が新コロナ以外で入院予定の患者に対し行ったPCR検査でも67人中4人(5.97%)が陽性であり、東京都民の5%前後がすでに感染している可能性が指摘されている。
東京の人口は1390万人、感染者数は67万人相当になる。
 東海大病院では医師の感染リスクと院内感染を防止するため、自前で、15分でPCR検査結果が出る機器を設置し運用している。
 感染検査できない御託を並べるより、できる方法を考えるべきだ。

4、提言と現実
専門家会議は学者や医師らにより構成されており、現状の医療体制を維持することから出発している。
これまで減量し続けてきた医療体制を早期に強化できるものでもないが、少なくとも、無発症感染者(感染者の濃濃厚接触者として陽性が判明した人)や軽症発症者は、施設隔離を前提にしていなかったことが、専門家会議の最大のミスだろう。無発症者に感染力があるなど世界中からデータが発信されているが、今になっても信じないのであろう。

厚労省は、隔離施設を準備せず・させず、医療機関の余裕もなくなり、自宅隔離を強制させた。
家族感染問題になり続けても無視してきた。自宅隔離で白岡市の軽症感染者の50代の独居男性が死亡し、マスコミが大きく取り上げたことから、厚労省はやっと方針を変更し、基本、感染者は施設隔離にすると都道府県に通知した。

2月24日から想定されていた事態に対して何も準備してこなかった専門家会議と厚労省である。
医療費削減が続き、当初から新コロナに対応できるICUのスペースはごく僅かしかなかった。重症者以上しか対応できないベッド数も限られている。
ならば、国家機関の研修所や東京五輪選手村およびホテル・民間の研修所などを事前に準備し、準備させ、当初から軽症発症者や無発症者をこうした施設に医師付きで隔離すべきではなかったろうか。
当初からボタンを掛け違い、何もかも後手後手だ。

専門家会議と厚労省は、医療対応の限界があるため、感染者数を増加させないよう、感染検査基準の障壁を高く設定した。結果、町中に感染者を蔓延らせ、いつどこで集団感染が発生するか分からない事態を作り上げた。

5、緊急事態宣言延長では各都道府県別に数値目標を設定が必要では・・・
厚労省のモタモタ振りに目が覚めた県は、韓国発世界で採用されているドライブスルー型の検体採取場を3月20日から設置しだし、厚労省は、設置から1ヶ月遅れでやっと承認した。

検査遅滞に対して東京医師会は、医師の判断で感染検査を受けてもらうか決定し、独自にドライブスルー型やウォーキングスルー型の検体採取所を設ける。
ただ、東京医師会は、陽性者に対して自宅隔離を前提としており、これまた危険である。感染検査の検査基準も現行の検査障壁のまま進める。・・・これでは100%のうち5%も前には進まない。 (東京医師会の会長は、以前から、軽症者は自宅隔離を主張しており、専門家会議と同一歩調。ましてや、自宅隔離で死人が出て厚労省が自宅隔離方針を基本的には撤回したものの、まだ東京医師会は固執し続けているようだ。まずは東京五輪の選手村を隔離施設にしてからの問題だろう。ホテルを隔離施設にしているが、医師会会長はそうした施設に医師さえ派遣したくない言動である。小池氏は自民党の支援を受け7月の都知事選は安泰、五輪が延期になったとたん、新コロナでギャーギャー言い出したが、その代わり身の速さはカメレオンも舌を巻くほど。しかし、6月までに新コロナに収拾を付けなければ、選挙も安泰ではなくなる。)

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<発生件数に占める7都府県と6道府県およびほかの34県>
人口密度と関係している。
但し北海道は中国直伝のウイルスが至る所に生き続け、知事がはじめから厚労省の方針に寄り添い、感染者を捕捉せず、ステルス化させたことから集団感染があちこちで生じている。札幌市は北海道全体の58%感染者数率。

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発生件数に占める7都府県の発生率を下げる必要があろうが、街中がステルス感染者だらけ、いつ集団感染が発生するか分からない状況が、東京と大阪(2都府で全感染者の4割を占める)に介在し、医療や介護関係者が現在、無自覚・無発症のステルス感染者となり、患者や老人に感染させている可能性すらある。

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