コロナ禍 農的視点からの一考察・その④

0512_01.jpg

みのり農場 麻生 茂幸     
http://www.minori-karatsu.com/about/

0512_02.jpg

sponsored



〇 連続飼育が可能な環境

何故消毒しない戻し堆肥区のほうが、成績が安定しているのか。

一般的な常識が覆される現実に疑問を抱く人が多く、この方式は普及しないのも現実です。

その理由は次のような要素にまとえられるようです。

1、水洗消毒を徹底して、新しい敷料を入れたほうが清潔だ。

2、戻し堆肥を試験したいが、きちんとした堆肥ができない

3、いろんな堆肥の作り方があるが、どれを選べばよいかわからない。

4、堆肥の処理は農協が一括してやるので敷料には不安がある。

5、堆肥の中の病原菌が心配なことです。

以上のように一般的に変革する事はなかなか容易ではないのですが、この素晴らしい方式は全てに通用する原理なのです。

1、完熟した堆肥は糞尿を高度に分解するバクテリアが増殖して、戻し堆肥で
新しい糞尿を次々に分解していく。そして、その為に悪臭も軽減される。

2、堆肥化の過程で高温となり、病原菌の原因となる細菌や害虫が死滅する、従
って、万一病原君が発生していた床面でも戻し堆肥として利用出来る。

3、逆にそうした病原菌で汚染された床面を発酵堆肥化することで、その病原
菌を攻撃するバクテリアが増殖し、清浄な環境となる。

〇 毒を以って毒を制す 菌を以って菌を制す

以上のように、基本的な水洗、清掃 消毒が如何に無効であるか。しかしな がら、一般的には常識はなかなか覆れないものなのです。 養鶏の平飼いにおいても、洗浄した床面で育雛するとコクシジウムという原虫 による被害が出やすいものです。その為に餌の中に抗コクシジウムのサルファ 剤を一派的には添加します。

しかし戻し堆肥の上で飼育すると、コクシジウムの被害が出ないばかりか 良好な生育となるのです。戻し堆肥の中に様々な病原菌や病害虫を淘汰するバクテリアが常在する環境となり、更には死滅した病原菌の成分を捕食したり、 接したりすることで、ある意味での抗体機能が働くのではないかとも考えられ るのです。

私達が一般的に消毒することは、目的とする病原菌を完全に死滅させることは不可能な上にその病原菌に優性に働く細菌でさえも排除するために、逆にそれまで優位な病原菌が繁殖しやすい環境となる矛盾を引き起こしてしまうこ とにもなるのです。

〇 堆肥の品質を向上させる塩と木・竹酢

しかしながら、戻し堆肥の質がその後の生育の良し悪しを左右するのは当然 で、ここで良質な発酵を促進する様々な方法があります。

基本はC(炭素)とN(窒素)、すなわち植物質のわらや草あるいは鋸くずと 窒素を含む動物質の畜糞尿や食品残渣あるいは魚あらなどを混合発酵させるのです。

できるだけ高温で短期に処理する場合と少し低温で長く処理する場合があります。

現代はその発酵をスムーズに進める様々な助剤も多いものですが、古来より
用いられた簡便な方法は、苦汁や木・竹酢を添加することです。

何もなかった昔、ただ海水だけを掛けていたそうです。そしてきちんと発熱・発酵・分解を促進して良質な堆肥を作って来たのです。

塩や苦汁はもちろん海(水)から採るもので、「生命の源」。全ての動物、人間には 必要不可決のもので動物や人間の血液や羊水も海水に近いというのは述べるまでもないでしょう。

ところが、私達の畑作においても苦汁は必要不可欠のものなのです。

「苦土 石灰」「苦土入り肥料」というように、マグネシウムを始めとする海のミネラル は野菜や果樹にも必須なものなのです。

一方、炭を焼く時の煙から採る木・竹酢は大地のミネラルを多く含みます。 PH3位の強酸性で、大地のミネラルを多く含みます。発酵の過程で有機物を分 解する働きが大きい放線菌の餌となり、その増殖を促進させるのです。