アイコン コロナ禍 農的視点からの一考察・その⑩

Posted:[ 2020年5月22日 ]

コロナ禍 農的視点からの一考察・その⑩

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みのり農場 麻生 茂幸     
http://www.minori-karatsu.com/about/

〇 疾病を寄せ付けない養鶏を目指す

これまで実に様々な鶏病に見舞われたものの、対処する薬剤やワクチンだけ では際限のない戦いでしかないとの疑問を拭えませんでした。また、全国の先進 事例を研究する中で、実に素晴らしい飼育管理を学ぶことが出来ました。

それらは既存の技術ではなく「自浄作用のある環境創生」と「真の健康体」を 目指すことでもあったのです。



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一般的には機械化・規模拡大に伴い効率を優先す る機械メーカーの論理が優先されたシステムが構築され、それに沿った飼育管理となってしまっています。

また、飼料にしても配合メーカーが安定したリーズ ナブルなものを配送してくれるのですべてがマニュアル化されて、ひたすらスケールメリットを追うしかないのです。

本来地域に根差した農業養鶏を志したみのり農場は、現在では極めて稀有な存在でしかないのです。

それでも餌の原料から吟味し自社で配合し、生産する卵や鶏肉も自社で加工販売するからこそトータルで視えてくるものがあるのです。

特に鶏の解体処理では、肉質や骨の固さそして何よりも肝臓の状態をきちん と把握出来て、それが餌の配合にフイードハバックされますし、同じように卵の 加工も自社で行うからこそ卵の質の向上を更に高められるのです。

その中で確立しつつある持続可能な畜産経営をまとめますと、先述した2点に絞られるのです。

〇 自浄作用の環境 畜舎を消毒するほど病気が発生する

一般的な畜舎の連続飼育はアウト後の徹底した水洗と消毒が基本なのですが、 それだけではどうしても良い成績は望めないのです。

その消毒を徹底すればするほど導入後の生育は期待以上の結果が得られないことが多いのです。

ところが、それほどの水洗・消毒は徹底されてないのに素晴らしい成績を治めている先進事例が散見されました。

それは鶏も豚も牛も畜種を問わず共通した 環境浄化を行っているのです。

それは、一般的には「戻し堆肥」と呼ばれる方法です。牛の例で見てみますと まず畜舎の床面は鋸くずを敷き詰めます。

一定期間が過ぎますと当然糞尿で汚 染されてきますので、新しい鋸くずと交換します。

ところが、清潔な床面を維持するのに、段々と鋸くず代金が嵩んできて頻繁な 交換が出来ない農場が、止む無く汚染された敷料を堆肥化したものを新しい鋸 くずの代わりに用いたのです。

驚くべきことに徹底した水洗消毒を実施して、新しい敷料を用いた場合より 水洗はしても消毒をせずに戻し堆肥を用いた方が成績は高く健康体になったの です。

それも処理した堆肥の完熟したものの方が成績が良く、堆肥の質も問われます。

 


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