コロナ禍 農的視点からの一考察・その12

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みのり農場 麻生 茂幸     
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〇 堆肥の品質を向上させる塩と木・竹酢

しかしながら、戻し堆肥の質がその後の生育の良し悪しを左右するのは当然 で、ここで良質な発酵を促進する様々な方法があります。

基本はC(炭素)とN(窒素)、すなわち植物質のわらや草あるいは鋸くずと窒素を含む動物質の畜糞尿や食品残渣あるいは魚のアラなどを混合発酵させるのです。

できるだけ高温で短期に処理する場合と少し低温で長く処理する場合が あります。

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現代はその発酵をスムーズに進める様々な助剤も多いものですが、古来より用いられた簡便な方法は、苦汁や木・竹酢を添加することです。

何もなかった昔はただ海水だけを掛けていたそうです。そしてきちんと発熱・発酵・分解を促進して良質な堆肥を作って来たのです。

塩や苦汁はもちろん海(水)から採るもので、「生命の源」。全ての動物、人間には 必要不可決のもので動物や人間の血液や羊水も海水に近いというのは述べるまでもないでしょう。

ところが、私達の畑作においても苦汁は必要不可欠のものなのです。「苦土 石灰」「苦土入り肥料」というように、マグネシウムを始めとする海のミネラル は野菜や果樹にも必須なものなのです。

一方、炭を焼く時の煙から採る木・竹酢は大地のミネラルを多く含みます。

PH3位の強酸性で、大地のミネラルを多く含みます。発酵の過程で有機物を分解する働きが大きい放線菌の餌となり、その増殖を促進させるのです。

 〇 古代からの塩の活用お清め

畜産においての「自浄作用の環境創生」を述べて来ましたが、それでは肝心の 人間の生活にはどうすればいいのか。

現代の科学技術がはるかに及ばない古代より人々は環境の浄化を日常的に図って来たのです。

人の葬儀に参加した際に私達は、「お清めの塩」を頂きます。それは土葬が当 たり前の時代、死んだ人が得体の知れない病気だった可能性もあり、その伝染を防止する為に身体に振りかけ、靴底を清めてきたのです。

また、新しい土地に家を建てる際などに神主を呼び、お祓いをしてもらいますが、神主は結界に塩と酒と米を振りますし、そして料亭などは玄関の両側に盛り塩をするのです。

現代では単なる厄払いと運気を招くと形式化されていますが、塩の本来の働きを料理だけではなく日常の生活に活用してきたのです。

雑菌の繁殖を抑え、乳酸菌や酵母菌など私達に有用な微生物の繁殖を助ける作用のある塩の活用は、環境をも浄化する古代より伝わる英知なのです。