レオパレス21は、ソフトバンクG傘下で米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループの支援を受け入れると発表した。
同社は普通株式優先株式、新株予約権などを割り当てにより約570億円を調達する。
相応の希薄化などは発生することになるが、資金調達によって6月末時点での債務超過も解消できる見通しとなり、最悪ケースを回避できる見通しになった。
以上、
国承認の設計図面から逸脱した違法建築物のアパート、改修工事に膨大な費用を要し、遂に赤字どころか債務超過に陥り、その後の動向が注目されていたが、SB-Gが救済することで決定した。
レオパレス21の外観デザインは、最近は良くなったが、建物内は以前からパンパカパ~ンの隣室や上階からの音が問題だった。しかし、まとまった敷金が必要の中、敷金無料の入居制度により社会的なニーズは高かった。
当局は同アパートの違法建築に対して、多くの入居人もいるため、解体命令ではなく、改修工事命令を発し、同社は天井ばらしの大工事と入居人の一次移住を決定し、工事に入ったものの費用負担に耐えられず、債務超過に至った。
ただ、同社の建物に対する発想自体は評価に値する。
建物自体はパネル工法を最大化し、工場で大量生産させることで、大幅なコスト削減をもたらしていた。
建築基準法に基づく認可図面通りに建造していたら、問題にはならなかっただろうが、以前はオーナー経営者、とことん建築価格の低減を求め、建築下請けや現場管理者が意識して、天井裏など見えない部分で、費用削減にもなる工期短縮と部材外しを行っていたことが、結果的に発覚、本末転倒な建築物だった。
壁・床・ロフト床などすばらしいパネル工法もハニカムコアだけではなく遮音シートも入れておけばパンパカパ~ンは防げたと思われるが、利益第一主義に翻弄された。
以前はイビデンの子会社がパネル部材の外注調達や建築を請け負っていたが、違反物件時はどこが請け負っていたかは不知。
SB-Gにしても不動産業者に対する投資は大失敗もあり、鬼門となっており、今回は慎重に審査したものと見られる。レオパレスのアパートも地方の学生街など古いものは既に整理淘汰され、社会人の地域ニーズがあるアパートが主を占めるようになってきている。
ただし、最近の売上高の減少は、問題が表面化したこともあり、競争相手のアパート所有者に対する切り崩しは水面下で過酷と見られる。
スクロール→
レオパレス21
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連結/百万円
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18/3期
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19/3期
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20/3期
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21/3QI
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売上高
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530,840
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505,223
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433,553
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103,986
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営業利益
|
22,930
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7,390
|
-36,473
|
-6,827
|
経常利益
|
22,354
|
7,063
|
-36,341
|
-6,748
|
当期利益
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14,819
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-68,662
|
-80,224
|
-14,123
|
総資産
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337,257
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291,790
|
196,953
|
-11,818
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自己資本
|
159,045
|
80,917
|
1,304
|
-12,030
|
資本金
|
75,282
|
75,282
|
75,282
|
75,282
|
有利子負債
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35,642
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34,224
|
27,259
|
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自己資本率
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47.2%
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27.7%
|
0.7%
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債務超過
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