米商務省が29日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で33.1%増と急回復した。
新コロナ事態で▲31.4%のマイナス成長となった前期から持ち直したが、コロナ危機前に比べ▲3.5%低い水準にとどまった。
足下でもコロナ感染の再拡大で回復力にもブレーキがかかっている。
米経済は、早期の経済再開と3兆ドルの財政出動で、3四半期ぶりのプラス成長となった。伸び率は市場予測の31%を上回り、比較可能な統計がある1947年以降で最大となった。
ただ、実質GDPは18兆5840億ドル(年率換算)と前年同期比で2.9%低く、コロナ危機前の2019年10~12月期比でも、なお3.5%少ない水準にとどまっている。
項目別では、
GDPの7割を占める個人消費が前期比年率換算で40.7%と急増、前期の落ち込みの▲33.2%減から急回復した。
自動車など耐久消費財は同82.2%も増加し、製造業の操業再開を後押しした。
住宅投資も59.3%増と大幅に伸び、前期の▲35.6%減から急回復した。それでも前年同期比では個人消費は▲2.9%減にとどまり、飲食などサービス消費は▲7%減となっている。
以上、
3兆ドルの政府支出がGDPの今回の増加にどれほど寄与しているのかは不明。
当急回復をどう解釈するかによって11月3日の米大統領選にも影響する。市場予想より大きかったことでトランプ大統領に軍配が上がろうが、目下、仕事せよ、店舗は閉鎖するな、学校は登行させよといくら怒鳴っても、共和党地盤州でも高齢者は投票に行かない可能性もあるというほど田舎まで蔓延している。命あっての投票、最近の新コロナ感染急拡大は大統領選を決定付けるかもしれない。