アイコン 中国国営の華晨汽車集団 社債デフォルト 傘下に華晨BMW

Posted:[ 2020年10月30日 ]

中国では社債デフォルト企業が相次いでいるが、国営企業は最終的に潰されもしないことから問題にもならないようだ。
中国メディア「財新網」などによると、遼寧省政府の管理下にある国営自動車メーカー、華晨汽車集団(汽車=自動車)は10月23日、償還を迎えた社債をデフォルト(債務不履行)したことが明らかになったと報じられている。
瀋陽市に本拠地を置く華晨汽車は2017年10月に発行した社債「17華汽05」をデフォルトした。同社は元本の10億元(約156億円/1元:15.6円)に加えて、元利金5300万元(約8億円)の計164億円あまりの支払いが滞っている。

華晨汽車の従業員は4万7000人。
同社の資産総額は1900億元(約2兆9689億円)、
傘下の子会社は160社以上。
なかに、ドイツBMW社との合弁メーカーの「華晨BMW」、
フランス自動車大手ルノーグループとの合弁会社りの「華晨ルノー金杯」
の認知度が高い。特に、華晨BMWは、グループ全体の売上の大半を占めている。

「経済観察網」の26日版によれば、2019年、華晨のグループ全体の乗用車販売台数は72万1800台で、うち華晨BMWの販売台数が54万5900台で全体の76%を占めているという。



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また、華晨汽車が発表した2019年業績報告書では、同年グループ全体の純利益は109億5000万元(約1711億円)だったが、うち華晨BMWの純利益は150億元(約2344億円)で、親会社の華晨汽車と他の子会社は実際には▲9億5900万元(約150億円)以上の赤字だった。

同社の自社ブランド、「華晨中華」と「華晨金杯」の売れ行きが長年低迷しているという。
新コロナの感染拡大を受けて、今年1~6月までの両ブランドの販売台数はさらに減少。前年同期比で「華晨中華」約▲55%減、「華晨金杯」が約▲15%減となっている。

2018年、華晨汽車は独BMW側と協議した結果、2022年までに華晨BMWの株式25%をオランダにあるBMWの子会社に売却することで合意している。これによって、華晨汽車が保有する華晨BMWの株式は今までの50%から25%に縮小する。

業界筋では、華晨汽車は今年5月以降、資金不足が起きていたとされ、自社ブランドの大きな落ち込みで収益改善を望めないことから、金融機関が同社への融資を拒否、地方政府も救済措置を講じていないという。
以上、

華晨BMWの持株25%の株の売却が2022年までとされ、それを早めた場合、資金は捻出されようが、連結から外れ持分とになり、業績は本体が元々赤字である上、新コロナにより上半期は売れず、大幅な赤字になっていると推定され、華晨BMWを連結から外した場合、巨額の赤字を露呈する可能性もある。自社ブランドは以前から売れておらず下半期も期待できない。

国営といっても地方政府管轄であり、地方政府はどこも過去の大開発で財政は四苦八苦しており、中央政府が支援しない限り、どこかに吸収されるか、破産しかないように思われる。

中国では、全世界で新コロナの影響を受けた日本勢が、中国のいち早い新コロナの収束と経済回復により大攻勢をかけている。

中国では、竹の子のように乱立した自動車メーカー、EVメーカーは2019年から購入補助金が減額され、販売不振に陥っており、多くのメーカーが倒産。完全に整理淘汰時代に突入、地場でも自社ブランド販売大手のみが生き残ってきている。
なお、EV等新エネ車補助金は2020年までとされていたが、新コロナの影響もあり2022年まで延長されている。
また、中央政府は、2035年までに中国での販売車は全部新エネ車(EV+PHV+HV+FCV)に限定すると発表している。

 

 


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