三鬼商事が発表した全国主要都市のビジネス街区のオフィス空室率は急増している。これまでが異常なほど少なくなっていたことから、新コロナ事態でのテレーワークの増加による賃借面積縮小、本社の地方移転、景況悪化による賃借面積の縮小などにより、空室率が増加している。一方、家賃は大阪を除き建築費の高騰もあり上昇傾向が続いている。
福岡では、大規模再開発が進展中であり、今後空室率は急増するおそれがある。
オフィス需要増は好景気によりニーズが高まってきたことに起因するが、福岡の場合は、再開発・ビル取り壊しのため、大量のオフィスニーズが生じ、空室率が減少してきたことにも起因もしている。
福岡の都心部は、経済特区指定により、航空法の高度制限や建蔽率や容積率が大幅緩和され、天神ビッグバン・コネクテッド博多という行政主導の大再開発が都心のあちこちで行われている。
ただ、こうした再開発ビルも完成期に入ってきており、転居していたオフィスが再開発ビルに戻り入居したり、ほかのテナントビルに入居していた企業がフロアー面積も大きいため移転したりして、容積率緩和から新たな再開発ビルは空き状態も一部生じ、既存ビルでは空室が生じてきている。
大規模開発ビルが今後とも完成し続けてくることから、東京五輪後の福岡の景気しだいでは大幅な空室率の増加にさいなまれる可能性もある。