日本政府は、モデルナ製ワクチンについて、6月までに4000万回分、9月までにさらに1000万回分の供給を受けることを計画している。
モデルナのワクチンの国内供給を担う武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長兼CEOは11日、追加で5000万回分を供給するための協議をしていることを明らかにした。
モデルナ製ワクチンの国内生産については日経新聞が先に、ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)とのインタビューによる発言を基に報じていた。
同紙のインタビューでモデルナのバンセルCEOは、「日本を含めたアジアでのワクチン生産について検討しており、協議を進めている」と述べ、日本国内での生産について「初期段階だが、日本の複数の専門家と協議を進めている」ことを明らかにした。
武田薬の広報はモデルナ製ワクチンの国内生産についてはコメントを控えた。武田薬は、米ノババックスとの間で年2億5000万回分以上のワクチンを日本で製造し供給するライセンス契約を結んでいる。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、キャロライン・スチュワート氏は、モデルナ製ワクチンの国内生産では「武田薬が最も可能性の高い候補であることは間違いない」とした上で、第一三共もメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを開発しており、「生産に関する知見を持っている」との見解を示した。
厚労省の専門家部会は20日、有効性が認められるなどとしてモデルナと英アストラゼネカの新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造販売の承認を了承。これを受けて同省は21日、両ワクチンの製造販売を正式に承認した。
以上、ブルームバーグ参照
一方、K貿易に浮かれ、ワクチン発注が遅れた韓国は当初こそ、日本がモタモタしている間にほぼ一線のワクチン接種回数となっていたが、ここにきて日本の接種が本格化し、その差が開き始めている。
「日本には2度と負けない」と豪語した文在寅大統領、世界から大きく出遅れた接種回数、国民の批判にさらされており、起死回生の訪米となるか注目が集まっている。
文政権はこれまでも唐突に米国に対してワクチンスワップを申し入れたものの相手にされなかった。
しかし、今回は訪米を機会に、文政権は、米国投資を財閥に指示、現代は工場増設EV生産、サムスンは半導体ファンドリー工場、LGはGMとのバッテリー合弁生産工場、SKはフォードとのバッテリー合弁工場と、4兆円にもなる米国への巨額投資を打ち上げさせ、ワクチン確保に動いている。
モデルナもしくはファイザー製ワクチンをサムスンバイオが受託生産することが、訪米で決定させれば、文大統領の支持率は・純な国民ゆえ50%を超えるまで急回復するものと見られる。
現状、ベクター型のAZ製はSKバイオが受託生産しているものの、これとてAZ社の認可がなければ韓国への納品はできない契約になっており、韓国の接種は綱渡り状態で進められている。
そうしたことから、悲鳴にも近いモデルナ製なりファイザー製ワクチンの確保を訪米の命題にしており、文大統領はバイデン氏に対して、ワクチンの生産受託契約を締結し、ジェネリックから、医薬品、原薬生産まで韓国で受注し、医薬品安保を米韓で構築する計画を提唱するとされている。(現状、米医薬品関係はインドが最大の受託生産国、中国も原薬受託生産国、韓国は振興勢力で徐々に医薬品メーカーからの医薬品の受託生産を増加させてきている。)
ただ、mRNA型ワクチンはAZ製のベクター型などとは異なり、高度な生産技術が必要となり、経験したことがないサムスンバイオが受託できるかは、バイデン氏の政治的な判断になる可能性がある。また、SKも意欲を示しているが、AZ製ワクチンでも大量生産が必要でも、新たな工場を建設し生産するには最低でも10ヶ月は必要と見られる。
モデルナなり、ファイザーなり、サムスンバイオなど韓国勢が受託すれば、武田の目はなくなり、菅首相の外交政治力が問われるものになる。
製品の安定した品質上、韓国と日本双方に生産委託することはないと見られるが・・・。
生産工場を持つファイザー社は工場拡張もしており、外注生産しないだろう。バイデンの特許開放に猛反対したファイザー、生産技術はジェネリックのようなそう簡単なものではない。独メルケル氏が反対し、バイデン案は実質潰れた。親中デドロスが悪乗りしていた。
モデルナ社は医薬品の開発ベンチャー、工場を持たず、生産はスイスのロンザ社に委託している。そのため、アジア地区での生産拠点を作ることは必至。ただ、RNA型を短期に製造できる体制にあるアジア医薬品メーカーはほとんどない。現在では韓国ではサムスンバイオが候補とされているが、経験はなく即生産能力があるのかはまったく不明。
武田は宇部工場が医薬品製造につき米FDAから怒られていた経緯がある。
21日、モデルナ社は日本企業と生産交渉をしている旨発言したと日経新聞が報じている。
バイデンが介入すれば、日韓両国に製造させる可能性もある。
スクロール→
ワクチン接種回数
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日本
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韓国
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2月17日スタート
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○
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2月25日スタート
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○
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3月1日
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31,785
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87,428
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4月1日
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1,050,000
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933,924
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5月1日
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3,490,000
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3,630,000
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5月10日
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4,730,000
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4,280,000
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5月21日現在
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7,990,398
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5,255,441
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人口
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125,300,000
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51,300,000
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感染者数 5/14~20
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38,386
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4,484
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スクロール→
世界で接種中のワクチン
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型
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有効率
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米ファイザー/独ビオンテック
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mRNA型
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96.0%
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米モデルナ
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mRNA型
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94.5%
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英アストラゼネカ
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ベクター型
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70.0%
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血栓問題
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米J&J・ヤンセン(1回型)
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ベクター型
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66.0%
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血栓問題
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露国営ガマレア
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ベクター型
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接種中不明
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中国シノバック
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不活性化型
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50~83%
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有効性問題
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中国営シノファーム
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不活性化型
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79.4%
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有効性問題
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中国営シノファーム
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不明
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72.5%
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有効性問題
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追、米承認7月頃予想
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米ノババックス
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組換蛋白質
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96.0%
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未承認
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2回型
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↓<(注) 数量は両国ともその後増加している>
スクロール→
日本の購入契約ワクチン
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米ファイザー製
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1億4,400万回分
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↑追加、菅首相
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5,000万回分
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英アストラゼネカ製
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1億2,000万回分
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米モデルナ製
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5,000万回分
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計
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3億6,400万回分
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人分計
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1億8,200万人分
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何れも2回接種必要分
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武田薬品は、モデルナとノババックスの国内臨床と製造を手がけている。J&Jとノババックス製ワクチンを受託製造。
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AZ製はJCRファーマが原液製造、第一三共とKMバイオが瓶への充填作業を行い出荷予定。
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開発中の日本勢ワクチン(ワクチン後進国)
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アンジェス
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DNA型
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KMバイオロジクス
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不活性化型
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塩野義
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組換蛋白質
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第一三共
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RNA型
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IDファーマ
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ベクター型
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韓国の購入契約ワクチン
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COVAX経由
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2,000万回分
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英アストラゼネカ製
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2,000万回分
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米ファイザー製
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2,600万回分
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↑追加購入
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4,000万回分
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米J&Jヤンセン製(1回)
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600万回分
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米モデルナ製
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4,000万回分
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米ノババックス製
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4,000万回分
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計
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1億5,200万回分
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人分計
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9,900万人分
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備考
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・SKバイオはAZ製ワクチンとノババックスのワクチンの製造。SKバイオがモデルナも製造の可能性。
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