韓国は9月までに1回目の接種を国民の70%に接種すると公表している。しかし、モデルナ社の海外の研究所で問題が発生して生産が大幅に遅れ、連れて各国への納品も遅れているが、韓国政府は7・8月の基幹接種ワクチンとして構築していたことから激怒、政府関係者を米モデルナ社に送り込み猛抗議、早期に約束量を納品するよう約束して帰国している。だが、書面での確約には至っていないようだ。
もう一つの8月の基幹接種ワクチンのアストラゼネカ製(AZ製)は、SKバイオが受託製造していることもあり、予定通り入荷している。1回目接種を優先しているため、2回目接種をメーカー推奨の3週間後を4週間後設定にしており、さらに6週間に引き伸ばすとしている。
すでに1回目接種者が2回目4週間を経過してもワクチン量が不足し、他メーカー製のワクチンの交差接種も一部実施している。
<そうした中、英国では>
英国のオックスフォード大学病院やユニバーシティ・カレッジ病院などの研究チームが11日、AZ製ワクチンは接種後、患者が血栓症を発症した場合、死亡率は22%だったと研究結果を米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表した。
AZ製ワクチンの接種後に今年3月下旬から6月上旬までの間に血栓症で治療を受けた18歳から79歳までの患者220人について調べた。
治療を受けたうち85%は60歳未満で、ほとんどは1回目の接種後、5日から30日の間に発症。また、約半数の人に目立った病歴はなく、それ以外の人も特定の病歴との因果関係は見られなかったとしている。
研究対象となった220人のうち22%にあたる49人が死亡、脳静脈洞血栓症や脳出血、あるいは血小板数が低くなるなどの症状が出た場合は死亡率がさらに上がった。
こうした血栓症が起きる確率について今回の研究チームは、50歳以上の場合は10万人に1人、50歳未満の場合は5万人に1人と推計している。
英国にとっては国産ワクチンであるAZ製ワクチンだが、血栓症の報告を受けて40歳未満の人については推奨しない方針をとっている。
<韓国では>
しかし、韓国はワクチン購入が遅くワクチン確保が後手後手に回り、COVAXルートを利用したり、ワクチンの貸し借りであるワクチンスワップを米国などに提唱したり、ワクチンメーカーに対してアジアへの安定供給を促すことを口実に韓国医薬品メーカーへの受託生産を大統領が直接呼びかけたり、あの手この手で自国のワクチン確保に努めている。
それでいて韓国マスコミは、米国が韓国軍55万人向けに無償提供したJ&Jヤンセン製ワクチンについて、使用しないもの、余ったものを提供したとイチャモンつける記事を掲載したり、血栓問題もあり、若い人たちは接種できないとクレームに近い記事を掲載したりしている。
韓国の接種推進団は、接種対象を50歳以上に制限していたAZ製ワクチンを残余ワクチンとして接種する場合は、30歳以上も接種できるように方針を変更した。
これは接種年齢が50歳以上に制限され、接種機関で1日数回分の残余ワクチンが廃棄されている状況に対処するための措置だという。
しかし、今回の措置は7月、稀な血栓症の発生などを理由に接種対象を50歳以上に制限した防疫当局が、約1ヶ月で選択権を理由に個人に負担を転嫁するものという指摘が出ている。
韓国の接種推進団が8月14日発表したところによると、これまでにワクチン接種に伴い他の既往症の症状が悪化して死亡した213人を含め、死亡した人は671人に達している。
ワクチン別では、ファイザー製396人、AZ製265人、ヤンセン製9人、モデルナ製2人となっている。
スクロール→
日韓のワクチン接種状況
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韓国
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日本
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8月16日24時現在
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8月17日公表分
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人口(人)
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51,820,000
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125,700,000
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接種総件数
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33,047,197
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111,050,989
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百人当り
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63.8%
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88.3%
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1回以上接種者数
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23,050,358
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63,231,125
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人口比
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44.5%
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50.3%
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2回完了者数
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9,996,839
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47,819,864
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人口比
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19.3%
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38.0%
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・韓国は1回接種を優先し、2回目接種は4週間あけていることから1回目と2回目の接種比率が日本と異なっている。
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韓国 接種ワクチン
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1回目
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2回目
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AZ製
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10,679,603
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3,567,626
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ファイザー製
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9,981,587
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5,236,679
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モデルナ製
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1,259,391
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62,757
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J&Jヤンセン製(1回完了)
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1,129,777
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1,129,777
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合計
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23,050,358
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9,996,839
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