韓国の中央事故収拾本部などは29日、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)対応特別防疫点検会議合同ブリーフィングで、段階的日常回復(ウィズコロナ)をそのまま継続して、特別防疫対策を推進すると発表した。
1、 防疫パス(接種完了・陰性確認制)有効期間を6ヶ月に設定、
2、 すべての感染者に対して在宅治療を原則としながら、18歳以上の一般成人を対象に追加接種(ブースターショット)を実施
という内容が盛り込まれた。経口用治療薬(飲み薬)の年内導入も推進する。
しかし、防疫専門家が主張してきた私的な集まりと営業時間の制限、防疫パスの拡大適用などは今回の対策には含まれなかった。自営業者のために防疫を放棄したと酷評されている。
以上、
韓国はワクチン接種完了率は30日現在79.9%、18歳以上に関しては91.4%という非常に高い接種完了率となっている。
問題は、感染者が高止まりしていた11月1日からウィズコロナ策を導入。これにより酒あり飲食店の営業が24時間可能となり、10月後半1000人台の感染者が2000人台、3000人台、4000人台と増加し、連れて重症者が続出、死亡者も急増している。
韓国当局は、重症者の高齢者割合が80%と高く、すでに高齢者に対しては接種完了4ヶ月後から追加接種を開始、追加接種者は302万人(60歳以上の高齢者数は1315万人)、高齢者の重症者は激減すると見ているようだ。
高齢者のほとんどが当時の優先接種によりAZ製を接種しており、その有効率はともかく、有効期間の短さ(中和抗体量の減少)に問題が生じ、高齢者の感染が止まらなくなっている。
ただ、医療機関も含めた高齢者施設の防疫対策を強化するだけでも、相当な効果が期待され、11月半ばからこうした施設の全従業員に対して週2回のPCR検査を義務付けたことしかこれといった対策は講じていない。韓国の高齢者は働いている人たちが多く、そうした人たちに対する防疫強化は追加接種だけでクリアするようだ。
11月第1週ですでにブレークスルー感染者数は50%を超えていた。
現在の韓国では規制強化と追加接種が同時に必要であろうが、追加接種には高齢者だけでも1ヶ月あまりかかり、それまでに高齢者の感染は減少しようが止まらない状態は続く。
30日の当局の公表では感染者数は3032人、重症者数は32人増の661人、死亡者は44人発生している。
スクロール→
韓国疾病管理庁 ワクチン抗体値推移(中和抗体量)
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接種後
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3ヶ月後
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5ヶ月後
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アストラゼネカ製
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207
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98
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ファイザー製
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338
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168
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↓11月1日からWithCorona政策
スクロール→
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日
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月
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火
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水
|
木
|
金
|
土
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10/24~30
|
1,423
|
1,190
|
1,266
|
1,950
|
2,107
|
2,124
|
2,103
|
10/31~11/6
|
2,061
|
1,686
|
1,588
|
2,666
|
2,480
|
2,344
|
2,248
|
11/7~13
|
2,224
|
1,760
|
1,717
|
2,425
|
2,520
|
2,368
|
2,324
|
11/14~20
|
2,418
|
2,005
|
2,122
|
3,189
|
3,292
|
3,034
|
3,212
|
11/21~27
|
3,120
|
2,827
|
2,698
|
4,115
|
3,938
|
3,899
|
4,067
|
11/28~12/4
|
3,925
|
3,309
|
3,032
|
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スクロール→
韓国のワクチン接種・種別/11月30日発表分
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人口
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51,349,000
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1回目
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2回目
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回数
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構成比
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回数
|
構成比
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AZ製
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11,118,216
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26.1%
|
11,029,768
|
26.9%
|
ファイザー製
|
23,236,927
|
54.6%
|
22,091,233
|
53.9%
|
モデルナ製
|
6,690,506
|
15.7%
|
6,391,381
|
15.6%
|
J&Jヤンセン製
|
1,499,033
|
3.7%
|
|
42,544,682
|
15.7%
|
41,011,415
|
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人口比
|
|
82.9%
|
|
79.9%
|
18歳以上
|
|
93.5%
|
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91.4%
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未接種者数
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8,804,318
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10,337,585
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・外国籍韓国居住者は含まれていない
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