バイデン大統領が31日、備蓄原油を1日100万バレル半年間続けて市場放出すると発表、これを受け、原油価格は100ドル前後まで下がり、前日比で6.5%前後下げている(WTI原油先物相場)。
原油高は世界一の産油国である米国の経済にも悪影響を与えている。
元はといえば、バイデン政権の巨額バラ撒き予算に原因がある。新コロナからの経済回復と政府の経済対策によりエネルギーだけではなく、資源全般にわたって高騰、穀物や飼料も高騰している。
そこに振って沸いたロシアのウクライナ侵攻、米欧西側のロシアに対する経済制裁もあり、エネルギー資源も鉱物資源も穀物も狂乱相場になってしまった。
日本の場合は、金利上昇を抑えるため、日銀が国債買い入れで対応、米国は金利を上げ、今後も上げ続ける予想から、金利の安い円を売り、金利の高い米ドルを買うのは道理、対ドル円は一時125円まで上昇、現在でも120円前後となっている。
昨年3月は107円~110円、10%以上円安になり、ただでさえ狂乱相場のエネルギーや資源などの価格をさらに高く購入する羽目に陥っている。
当然、世界経済はスタフグレーションの泥沼にはまることから、調整する必要があろうが、アメリカ№1を受け継ぐバイデン氏は、更なる狂乱相場を誘発して続けている。
そうした中、世界一の産油国である米国の政権は、自国の原油生産会社に増産協力を求めることもできず、バイデン氏は31日、備蓄原油を1日当たり100万バレル市場放出を半年間続けると発表した。
これを受け、原油価格は7ドルほど下げ(前日比▲6.5%前後下落)、100ドル前後で取引されている。
ロシア制裁でロシアが影響を受けているのは原油100万バレル/日、石油類で100万バレル/日とスイスの資源アナリストが説明している。
原油の影響分は他国から購入することになり、原油高を誘発しているが、今回の措置でその分を吸収することになる。
ただ、市場の見方は、相場下落は限定的な動きにとどまると見ている。
欧州では現在もロシアから輸入している国々も、ロシア産の原油や天然ガスの禁輸プログラムを作成しており、夏場から今年中にかけ輸入しない計画を打ち出している。
今後、そうした国々はほかの産油国から購入することになり、さりとて、新コロナ以前の産油量に米国もOPECも程遠く、価格高騰は続くしかない。
産油国で米国から輸入制限を受けているイランとの核合意をできるかどうかも今になってはわからない。
インドは歴史的にロシアと関係が深く、今回、ロシア産原油を相場の2割安で新たに長期大量購入契約を交わしたという。しっかりものだ。
露制裁下、イエメンのフーシ派がUAEやサウジの原油施設をラマダン休戦あけに攻撃し炎上したら、価格が手をつけられなくなるリスクも常にある。
これまで米国が産油国の中東をぐちゃぐちゃにし、今度は産油国のロシアが自らグチャグチャにしている。備蓄放出も場伝の独り舞台の様相。
スクロール→
ロシア産原油購入企業と停止企業
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購入継続企業もしくは不明企業/カタールのアルジャジーラ報道分
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企業名
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国
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現状ほか
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ネフトヒムブルガス
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ブルガリア
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精製継続、露ルクオイル所有会社
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MiRo
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ドイツ
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精製継続、露ロスネフチが24%所有・独最大
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PCKシュヴェット
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ドイツ
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パイプラインで精製継続、露ロスネフチが54%所有
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プルタミナ
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インドネシア
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新設の国営精製所、ロシア原油購入検討
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ロイナ
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ドイツ
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パイプラインで継続精製、トタルが過半数の株所有
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ギリシャ石油
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ギリシャ
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露産15%、サウジから追加購入
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ISAB
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イタリア
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中止、スイス企業所有の伊最大の製油所
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MOL
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ハンガリー
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パイプラインで精製継続、ハンガリーは制裁反対
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クロアチア
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スロバキア
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ゼ-ラント
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オランダ
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ノーコメント、露ルクオイル45%所有会社
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ロッテルダム製油
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オランダ
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ノーコメント、エクソンモービル系
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ヒンドゥスタン石油
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インド
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購入継続
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Indian Oil
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インド
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購入継続
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購入停止企業
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BP
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英国
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ロスネフチへの出資放棄
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Eneos
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日本
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新規停止
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ENI
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イタリア
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政府出資企業 停止へ
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バイエルノイル
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ドイツ
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EniとRosneftが出資/露産使用なし
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スタトイル
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ノルウェー
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国営企業、取引なし
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ギャルプ
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ボルトガル
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購入停止
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ネステ
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フィンランド
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新規購入停止
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PKNオーレン
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ポーランド
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長期契約分購入。新規停止
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リトアニア
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チェコ
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Preem
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スウェーデン
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サウジ富豪所有、停止、スウェーデン最大
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シェル
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英国
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世界最大のトレーダー、段階的停止
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トタル-E
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フランス
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今年末までに購入停止
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ヴァロエナジー
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スイス
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独バイエルノイ過半所有
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米国
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露産原油、輸入禁止措置
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