不動産経済研究所が発表した3月の近畿圏の分譲マンションの発売状況は、前年同月比▲30.2%減の1,267戸だった。過去は21/3月は1,815戸、20/3月は1,528戸、19/3月は1,449戸。
契約率は72.9%で前年同月より1.9ポイント悪化した。
1戸当たりの価格は19.9%上昇して5,067万円で2ヶ月連続の上昇
平方メートル単価は0.8%高の76万3,000円で5ヶ月連続の上昇となっている。
3月末現在の継続販売在庫数は3,714戸。
4月の販売戸数は1,200戸程度を見込まれている。21/4月1,093戸、20/4月494戸、19/4月852戸。
以上、
スチール、鉄鉱石、石炭、原油、天然ガスの国債相場が急騰している。それに加え、昨年4月より今年の4月の対ドル円は▲16%の円安(109円⇒現在126円台)とさらに円では高値買いするしかない。ただ、購入は長期契約をしており、購入単価の契約内容は不明、スポットでの調達では相場を基準に購入することになる。
分譲マンションは鉄骨・鉄筋およびセメントで躯体を構造する。鉄は石炭からコークスを製造し、コークスを燃焼させて鉄鉱石を溶鉱炉で溶かし製造するか、スクラップ鉄を電炉で溶かし製造する。電気は石炭、石油、天然ガスでほとんど発電されている。
セメントも同じで石炭などを粉砕して燃焼させて製造する際、膨大な電力とボイラーの熱源が必要となる。
鉄関係の相場そのものが上昇し、セメント製造で必要な電力や熱源の価格が上昇している。
内装材の木材は暴騰を繰り返している。
新コロナ前の19年12月までは300ドルから600ドルの範囲で動いていたが、21年3月には1610ドルまで急騰、その後450ドルまで下げ、今年の3月には再び1460ドルまで急騰した。4月18日現在914ドル台と高い水準にある(USD/1000 board feet)。日本はシベリア材木を大量に輸入しており、露制裁により禁止されれば、再び木材価格は上昇する。木材価格が値上がりせずとも昨年より円での輸入価格は16%高になっている。現実は国債相場が上昇している。
結果、土地の価格が値上がりしなかったとしても、建築材料の価格が急騰しており、今後、建設代金に反映されることになる。
スクロール→
結果の、3月の近畿圏の分譲マンション発売状況
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2022年
|
供給
|
平均価格/万円
|
㎡単価/万円
|
3月
|
供給数
|
前年比
|
平均
|
前年比
|
平均
|
前年比
|
大阪市部
|
334
|
-53.2%
|
5,648
|
33.5%
|
95.1
|
13.2%
|
大阪府下
|
281
|
-22.4%
|
4,017
|
-24.5%
|
68.0
|
-1.0%
|
神戸市部
|
159
|
-52.7%
|
4,807
|
139.9%
|
65.6
|
-17.6%
|
兵庫県下
|
129
|
-53.8%
|
4,751
|
-7.1%
|
68.9
|
-3.2%
|
京都市部
|
166
|
130.6%
|
6,351
|
8.7%
|
93.8
|
11.0%
|
京都府下
|
19
|
18.8%
|
4,203
|
4.2%
|
56.8
|
6.2%
|
奈良県
|
0
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
滋賀県
|
178
|
513.8%
|
4,996
|
27.7%
|
61.3
|
8.7%
|
和歌山県
|
1
|
-50.0%
|
4,060
|
3.3%
|
53.5
|
3.5%
|
近畿圏
|
1,267
|
-30.2%
|
5,067
|
19.9%
|
76.3
|
0.8%
|