同社は、紙おむつ表面材や調理ペーパー用中心紙関連事業で生産・販売する製品は、主に衛生材料市場および外食産業市場向けとして使用されている。
しかし、衛生材料市場は、国内での景気低迷やコロナ惨禍による需要低迷、また、外食産業市場は、長引く新コロナ事態の影響により、販売数量が低迷している。
また、主要原材料であるパルプ価格はかつてない高値で推移し、さらには燃料や化学系の資材の価格も急激に上昇し、厳しい収益環境となっている。
こうしたことから、22年3月期の業績予想を修正した。
このような状況を受け、紙関連事業設備について、特損として▲29億円の減損処理を行うため、22年3月期は▲26億円の赤字になると発表している。
同社が扱う不織布はパルプ系と化学繊維系とがあり、化学繊維系はマイクロプラスチック問題があり、リサイクルが効率で行われない限り脱化学繊維も考慮すべき時期が来るかもしれない。
眼下、大元の原料である原油が高騰し、露制裁でもさらに高騰し、円安で調達価格はさらに高騰し、厳しい経営環境にある。
利用する飲食店などは価格を上げられる環境になく、一方で露制裁の長期化は免れず、欧州は原油・天然ガスにつき、今年中に他生産国から代替購入するとしており、ドイツやイタリアなど大量消費国の動向しだいではさらに相場高騰原因ともなる。
日本政府がシベリア産木材=露産木材の輸入を禁止したことから、日本のパルプ調達価格はさらに上昇するものと見られる。
日本はこれといった資源もなく、白人社会の欧米と経済環境が異なることから露制裁に何でもかんでも追随するのは遇の骨頂、日本の利益と駆け引きしながらの判断が必要ではないだろうか。
↓(参考程度)化学繊維の元の原油。石炭およびチップ材の元の木材価格の先物相場
南洋材の広葉樹よりシベリア産など針葉樹のチップ材が安価。
スクロール→
新コロナ経済回復+露制裁・侵攻2/24日以降の狂乱相場
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2022年
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国際先物相場
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侵攻後
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4/21日
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比較
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19/12.
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22/1/1
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高値
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相場
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年初
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19/12.
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円対ドル高
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109.099
|
115.080
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129.269
|
128.358
|
11.5%
|
17.7%
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原油WTI
|
63.48
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75.85
|
124.66
|
103.99
|
37.1%
|
63.8%
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天然ガス
|
2.177
|
3.810
|
7.820
|
6.910
|
81.4%
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217.4%
|
ナフサ
|
548.00
|
728.33
|
1,121.72
|
913.49
|
25.4%
|
66.7%
|
石炭
|
65.50
|
195.00
|
422.65
|
331.00
|
69.7%
|
405.3%
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木材ランバー
|
405.00
|
1,112.00
|
1,464.40
|
1,025.00
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-7.8%
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153.1%
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・米ランバー(木材)価格はシカゴ先物市場で21年5月1,686.00まで上昇した。
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スクロール→
先手の評価損は今後の経営にプラスとなる。
連結/百万円
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19/3期
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20/3期
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21/3期
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22/3期予
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売上高
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12,823
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12,869
|
10,647
|
10,900
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営業利益
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684
|
943
|
768
|
-120
|
経常利益
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694
|
1,036
|
824
|
-70
|
当期利益
|
474
|
565
|
561
|
-2,600
|
総資産
|
15,179
|
15,484
|
14,482
|
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自己資本
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7,921
|
8,353
|
8,851
|
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資本金
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593
|
593
|
593
|
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有利子負債
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3,222
|
3,576
|
2,945
|
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自己資本率
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52.2%
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53.9%
|
61.1%
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