脱炭素社会の実現に向けて住宅の省エネ化を進めるため、2025年度以降、すべての新築の建物に断熱性能などの省エネ基準を満たすことを義務づける改正内容を盛り込んだ法律が、13日の参議院本会議で全会一致で可決・成立した。
今回の改正法は、建物の冷暖房に伴う電力やガスなどのエネルギー使用量を減らすことが目的。
このため、これまでオフィスビルなど一部の建物を対象に定めていた省エネの基準について範囲を拡大し、2025年度以降、住宅を含む、すべての新築の建物で基準を満たすことを義務づける。
具体的には、新築の住宅や、小規模なオフィスビルも省エネ性能を高めるため、断熱材の厚さや窓の構造などの基準を満たすことが求められる。
また、既存の住宅で省エネ対策の工事を行う場合に利用できる、住宅金融支援機構による低金利の融資制度も新たに設ける。
政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標達成に向けて、2030年度に建築物に関係するエネルギー消費量を原油に換算して、約889万キロリットル削減するとしていて、法改正によって、建物の省エネを一段と進めたいとしている。
ところで、日本の原油消費量は約3,268万バレル/日、リットルに直せば(1バレルは0.159キロリットル)519万キロリットル/日、889万キロリットルは2日分にも満たない。