現在、指定国立大学法人は9つ、
東大・京大・東北大・東工大・名大・阪大・一橋大、筑波大・東京医科歯科大。
その中の東工大と東京医科歯科大学が経営統合を目指しているという。これからの医学はAIが予知も医療もすべてを制するようになる。ただ、基本はそれぞれの医学分野で専門的な知識を持つ医学者が必要だが、最終的にはAIが自ら考え、解決策を導き出し、ロボットを利用し自ら問題を処理していくことになる。そうしたベースは東工大にあるとも言え、理に適った統合ではないだろうか。今後、1国2制度でいくか、1国でいくか検討するという。
指定国立大学は、国際的な学術論分の発表数とその検索数も判定に必要だろうが、ほかの大学も含め研究者を対象に指定制度をつくり、紐付きではない政治家排除、必ず学内派閥のある大学の上層部の排除により、純粋に各分野で優秀な研究者を対象に助成する必要があるのではなかろうか。
落ち続ける日本の著名大学の世界ランキング、世界最高水準の教育や研究が求められようが、そうした裏付けとなる先生たちが政府主導の研究予算の削減・減少により育たっておらず、後退し続けた結果となっている。この9つの指定国立大は、世界のトップ大学と競い、イノベーション創出のけん引役となる国立大として育てる枠組みとして2017年度から導入された。
指定されると規制緩和の対象となり、出資できる企業の対象が広がったり、余裕資金の運用がしやすくなったりして、一般の国立大に比べると経営裁量が広がる。
以上、
指定大学制度より、研究内容により資金提供する方式が賢明だろうが、厳しい日本の税制度で寄付制度が米国のように確立しておらず、また企業もその研究に先制的な投資もしたがらない体質ではいかんともしがたい。
いまだ僅かなオーナーの企業が、研究施設を寄付したり、寄付金により講座が開設されたりしているが、今ではほとんどとなったサラリーマン経営者の大企業は、そうした研究施設を寄付するどころか、自社の研究開発や生産性向上の投資まで削減して、利益を出すことだけにご執心、株主のご機嫌をとることで目いっぱいになっている。
政府にしても大学にしても利用価値のある忖度する研究者を厚遇しており、決してそうした人物からイノベーションを牽引するような人物は現れてこない。イノベーションは研究一筋の変わり者から生まれるのは歴史が証明している。
中国の清華大学のように、国が財政難で、国立大学に対して自らの食い口は自ら見出せと発破をかけ、規制をほとんど解除、結果、今日の世界ランキングの位置にある。
紐が一番とする甘えん坊の大学も企業もチャレンジ精神などあろうはずがない。バランス感覚だけでは,研究予算がない中、皆均一に衰退するしかない。これまでそうなってきた。次世代に向け政府も大学も財界も企業も変わることが求められている。
最新の水素研究施設を伊都遷都から持つ九州大学、何を研究しているのか知らないが、際立った成果が挙げられているのだろうか。今では学術界でも世界的な成果を挙げた論文は見当たらず、実業の世界でも米ベンチャーや日本企業がよほど先を走っているようでならない。
垣根を越え水素研究者をそうした施設のある大学なり国立の研究所に集めることも必要ではないだろうか。明日の飯のために。国立の理研では非正規の研究者たちの大量解雇が始まっている。
国家経営者は予算カットや定年などにより研究者を切り捨て、多くの研究者を中国へ逃げ出させている。
中国へ逃げ出す研究者を批判する前に、何故そうなったのか考え直す必要があるのではなかろうか。昔は江崎さんではないがほとんど米国へ逃げ出していた。
ノーベル賞受賞者さえ輩出できなくなっている国にお墨付きを与える中枢大学が、日本の最高ランキングではすでにおわったも同然かもしれない。
世界最高水準の教育や研究をいかに具体化していくかが学術界は問われている。