台風はその勢力や進路を多く、台風を取り巻く気圧配置、偏西風などの条件により複合的に干渉しあいながら変化させる。
今回の14号は東海・四国・九州のはるか南を西へ移動しながら勢力を拡大。
16日予報でも最低気圧は940hPaとされ、上陸時には960hPaと推定されていた。
ところが、高温水の太平洋でゆっくり西へ進む間に、17日になると勢力を急激に拡大させ910hPaまで発達、猛烈な台風となっている。
18日9時現在でも925hPaと大型で強い台風となっている。
気象庁も米JTWCも予想は大きく変化し続けている。
今回は台風の進路も気圧も二転三転。
九州本島の上陸地点も北部九州⇒九州中部⇒北部⇒中部⇒南部⇒さらに南部へ、そして薩摩半島沖から天草へ、そして長崎市へ。海上を移動することから長崎市に至っても930hPaが維持され、最大級の台風のまま上陸する。
台風14号は、進路予想がコロコロ変わっている
18日06時の予想では、薩摩半島・枕崎沖から天草沖へ、19日03時には長崎・諫早市付近へ、その後急に北東へ進路を変え、佐賀県江北町へ、鳥栖市-行橋市から瀬戸内海へ、防府市付近へ再上陸、その後、鳥取県中部を通り日本海へ至る予想がなされていた。しかし、また変わった。
進路予想は発表されるたびに大きく変化しており、まだ予想確率は低い。
00時予想は天草から有明海ら入り、玉名市付近、その後は荒尾市付近、柳川市付近、そして、佐賀・江北町付近-行橋市-瀬戸内海-防府市-・・・
台風が大型だけに佐賀市へ上陸後も、佐賀と福岡の間には背振山系があり、また三郡連山・耳納連山などあるものの勢力を維持したまま、最大風速50mで福岡市に到達する予想となっている。
福岡市へ大型台風が直撃するのは、各地に甚大な被害を出した1991年9月の台風第19号以来となる。ただ、当台風は佐世保市あたりに上陸し北部九州を横断したが、今回は強い勢力のまま有明海から佐賀市-福岡市へ至る非常に珍しい経路となっている。
18日09時現在での予想は、
天草経由で雲仙市に上陸、有明海を抜け、佐賀市へ上陸、そのまま、北北東へ進み、19日09時には福岡市へ至り、そこから東北東へ進路を大きく変え、北九州市-下関-鳥取県-日本海-20日09時には新潟市と佐渡島の間の海上に至ると予想されている。
<台風に伴う高潮>
長崎港の満潮は19日00時、潮位は217センチ、03時194センチ、干潮は08時で124センチとなっている(9月27日の満潮時の潮位は307センチ、9月19日は月として最低位の満潮位)。
台風は中心気圧が低いほど周囲の海水を吸い上げる力が強く、予想の潮位より大幅に上昇し高潮の発生に厳重な注意が必要(潮位は長崎港:長崎市松が枝町地点)。
スクロール→
18日09時の台風14号の進路予想/気象庁
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18日21時の予報
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種別
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台風
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強さ
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非常に強い
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存在地域
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阿久根市付近
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予報円の中心
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北緯32度00分 (32.0度)
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東経130度05分 (130.1度)
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進行方向、速さ
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北北西 25 km/h (13 kt)
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中心気圧
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930 hPa
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中心付近の最大風速
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50 m/s (95 kt)
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最大瞬間風速
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70 m/s (135 kt)
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予報円の半径
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45 km (25 NM)
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暴風警戒域
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全域 230 km (125 NM)
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19日09時の予報
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種別
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台風
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強さ
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非常に強い
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存在地域
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福岡市付近
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予報円の中心
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北緯33度40分 (33.7度)
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東経130度25分 (130.4度)
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進行方向、速さ
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北北東 15 km/h (9 kt)
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中心気圧
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930 hPa
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中心付近の最大風速
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50 m/s (95 kt)
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最大瞬間風速
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70 m/s (135 kt)
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予報円の半径
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65 km (35 NM)
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暴風警戒域
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全域 250 km (135 NM)
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20日09時の予報
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種別
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台風
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強さ
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-
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存在地域
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新潟市の西南西約40km
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予報円の中心
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北緯37度50分 (37.8度)
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東経138度35分 (138.6度)
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進行方向、速さ
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東北東 35 km/h (20 kt)
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中心気圧
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975 hPa
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中心付近の最大風速
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30 m/s (60 kt)
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最大瞬間風速
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45 m/s (85 kt)
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予報円の半径
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165 km (90 NM)
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暴風警戒域
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全域 350 km (190 NM)
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