ブルームバーグは11日、2022年の中国の出生数が1千万人となり、1949年の中華人民共和国の建国以来、最低を記録したと著名な人口学者の何亞福博士の話として報じた。
近く中国の国家統計局が昨年の公式人口統計を発表する予定だが、この主張が事実として明らかになれば、死者数が出生数より多い「人口デッドクロス」現象が可視化することになる。世界1位を記録してきた中国の人口が減少に転じる。
2016年に1883万人だった中国の出生数はその後急激に減少し、昨年には1千万人となった。
何氏は、出生率急減の理由として、
① 新型コロナウイルスの感染拡大、
② ②保育費支援の減少などを挙げた。
2021年に中国政府が人口抑制政策(夫婦1組に2人までの出産容認)を廃止し、出生率を上げるために努めたが、国の政策と新コロナにより経済が疲弊しており効果が生じなかったようだ。
昨年の中国の死者数が1千万人を超える可能性が高いため、人口デッドクロスが現実化するものとみられる。
国家統計局によると、2021年末現在、香港とマカオを除く中国本土の人口は14億1260万人。
中国は1979年から2014年までの35年間、一人っ子政策を敢行、こうした一人っ子政策の35年間が一巡するまで人口減少は続き、また、解禁されたとしても過去のような多産家庭は少なくなり、少子高齢化のスピードに拍車がかかる。
中国の2022年の15~49歳女性の合計特殊出生率は1.28、35年間のツケが今後とも生じることから、合計特殊出生率はさらに下がることはあっても、一時的な増加はあっても流れを止めることは不可能と見られる。
1000万人×平均寿命80歳としても8億人。現在14億人。