米国では、急速に拡散している新コロナウイルスオミクロン株派生型「XBB．1．5」、１２月２４日までの週で感染者の２１．７％が同株となっていたが、２１日までの週では４０．５％と急激に増加し、既存の各種派生型から置き換わりが進んでいる。

米ジョンズ・ホプキンス大学のアンドリュー・ペコシ博士は「XBB.1.5はほかの派生型よりもスパイク（突起）タンパク質に突然変異が多い」と説明した。これは、「既存のワクチンが効かない」という意味でもある。

＜「XBB．1．5」特徴＞
XBB.1.5の最大の特徴は、ほかの変異株の派生型に比べて極めて免疫回避力が高いこと。　
ウイルスはスパイクタンパク質を利用して細胞に浸透し、感染を引き起こす。ワクチンは、このスパイクタンパク質の特色に合わせて開発されるが、スパイクタンパク質が大きく変わるほどワクチンの力は弱くなる。XBB.1.5が強く懸念されているのはこのため。

　
米コロンビア大学の研究者は、科学ジャーナル誌に「Cell（セル）」に「XBBのような派生型の拡散は、新コロナワクチンの効果を下げ、感染者と再感染者の急増を招く可能性がある」、「XBB派生型はオミクロン株用ワクチンの追加接種に強い抵抗力 を持っているので脅威だ」と分析した論文を発表している。

日本ではすでに東京と鹿児島でXBB系が発見されている。
日本は、ウィズコロナ策により、水際対策さえ殆ど放棄しており、感染爆発中の中国からの訪日客でも、PCR検査ではなく、初期感染が発見されにくい抗原検査で対応、それでも入国感染者は大幅に増加している。

これまでも水際を徹底していれば、感染を押さえられていたと見られるケースは山のようにあり、入管検査は、入国停止以外、最初から今に至るまで口と形ばかりで、実質スッポンポンと同じと見たほうがよさそうだ。

「XBB．1．5」はすでに韓国でも見つかっており、日本でもすべてのオミクロン変異株派生型から置き換わる可能性が高い。

「XBB．1．5」型は、これまでに感染した人やワクチン接種した人にも感染リスクが高く、全国で毎日１５万６千人(12/31日までの週の日平均)が感染している。日本は現在、ウイルスにとって感染しやすい環境にある。

訪日観光客もワクチン３回接種証明、もしくは７２間以内に受けたPCR検査陰性証明のみとなっている(中国からのみ指定４空港＋全員抗原検査ほか)。中国は１２月２７日に海外旅行の規制を撤廃した。

日本では、２０２３年には２０１９年当時のインバウンド経済効果３．５兆円になると早くも太鼓が鳴らされている。
　ただ、１２月に発生した感染者数が世界一多い日本国、大感染下での海外渡航規制解除の中国からの訪日、万歳万歳万々歳と喜んでばかりでいられるのだろうか。

結果、観光国となった日本は世界中からいろんなオミクロン派生株の集積地となり、感染死亡者数も過剰死亡者数も増加し続けることになる。
オミクロン株でも致死率が高い高齢者に対する日本人の素顔は、想定以上にエゴイストで冷たいようだ。お坊ちゃまが主導し続け、口から生まれた政治家たちに・・・だろうか。

↓１２月の週の感染者数と死亡者数
データ参照：NHKとワールドメーター版
１２月下旬はクリスマス休暇や仕事納めなどから、そのデータは入力遅れや報告遅れなどから
少なくなる。
XBBについては置き換わりが早く感染力が強いと見られるが、１２月末の週の感染者数からはそうした兆候は見受けられず、１月中旬まで見る必要がある。