米モルガン・スタンレーは21日付の投資家向けメモで、2023年の世界石油需要の伸びの見通しを日量約190万バレルと、前回予想の140万バレルから約36%引き上げた。
中国の経済活動再開や航空業界の回復に勢いがあるとしつつ、相殺する要因としてロシアの供給増を指摘した。
「中国の車の渋滞状況など移動指標は着実に上昇している」とし、「航空機の運航計画はジェット燃料の需要見通しを強固にした」と説明している。
ただ、ロシアからの供給は予想以上に強く、23年下半期の生産減少は以前の想定よりやや縮小するとして、その間の北海ブレント原油先物価格の見通しを1バレル=90~100ドルと、前回の100~110ドルから引き下げた。
ロシアの生産量見通しについては「以前は23年に前年比で日量▲100万バレル減少すると見込んでいたが、これを日量▲40万バレル減とした」と記した。
一方、米ゴールドマン・サックスは今月、23年の北海ブレント原油先物の価格見通しを引き下げ、23年と24年の世界供給予想を引き上げた。とりわけロシア、カザフスタン、米国の上方修正が目立った。
しかし、ゴールドマンは、23年の中国の需要が日量110万バレル増え、6月には再び供給が追いつかなると指摘している。
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