アイコン 米、5月住宅着工数増、インフレ圧力に

Posted:[ 2023年6月28日 ]

米パウエルFRB議長は、インフレ圧力が強く、今年は7月以降2回の金利上昇を予定していると述べている。
米国は世界のGDPの20%、その米国のGDPの70%は消費が占めている。
その消費の増減の根幹は就業者数と賃金に影響され、新コロナからの経済回復で就業者数が増加し続ければ、労働需給の逼迫から自ずと賃金は上昇する。
労働者数の増加と賃金上昇は、強い購買力をもたらし、物価が高くても購入し続けることになる。
昨年末から下落傾向にあった商品相場も再び上昇に転じており、製造業の指数が悪化しても購買力が物価の基礎を形成し、物価上昇圧力は強い。

米国の就業者数は、
新コロナ前は1.57億人
⇒新コロナの20年4月は1.33億人まで激減
⇒21年3月までに1.50億人まで回復
⇒その後上昇し続け、23年5月は新コロナ以前より多い1.60億人を超えている。
(23年4月は1.61億人、5月は1.60億人)



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住宅の場合、
中古物件はすでに玉不足に陥っており、新築住宅の着工戸数は5月、予想に反し、大幅に増加している。新築住宅は長期住宅ローン金利も6.5%前後と高いにもかかわらず、金持ちが多いのか好調。住宅の場合、経済波及効果も大きく、経済を牽引する。


スクロール→

米国のインフレ圧力=金利上昇要因 /データは年換算値

 

金利

住宅着工数

戸建新築数

建築許可数

中古販売

戸数

戸数

戸数

戸数

/千戸

/千戸

/千戸

/千戸

22/6.

1.75

1,561

563

1,701

5,130

22/7.

2.50

1,371

543

1,658

4,880

22/8.

2.50

1,505

638

1,586

4,770

22/9.

3.25

1,463

567

1,588

4,680

22/10.

3.25

1,432

577

1,555

4,440

22/11.

4.00

1,427

582

1,402

4,120

22/12.

4.50

1,357

636

1,409

4,030

23/1.

4.50

1,340

649

1,354

4,000

23/2.

4.75

1,436

625

1,482

4,550

23/3.

5.00

1,380

657

1,437

4,430

23/4.

5.25

1,340

680

1,417

4,290

23/5.

5.25

1,631

763

1,496

4,300

・中古住宅の販売は弾不足に陥っており、新築増に至っている。

 

<バイデン米政権のインフレ率上昇政策>

1、ウクライナ戦争における米軍需企業のフル生産体制

  ミサイルのレイセオン社、ほか弾薬、戦車・装甲車・・・、

韓国もウクライナ特需でポーランドから戦車・自走榴弾砲など大量受注。+ウクライナ用に米国から155ミリ砲弾100万発受注などなど。

2、CHIPS法による巨大半導体工場の各地での建設

  TSMC、インテル、サムスン(各社とも工場は複数ヶ所)

3、IRA法による各地でのEV生産工場建設

  GM、現代、トヨタ・・・

4、IRA法に基づくEVバッテリーメーカーの17ヶ所に及ぶ巨大工場の建設と建設計画。

  LG、SK、SDI、パナ社、GM、トヨタ(単独・合弁あり)

5、IRA法に基づくEVバッテリーメーカーの協力企業の米(進出)工場建設

6、ソーラー発電の国内生産体制による外資企業の米工場建設(韓火Qセルズ等)

・・・

 

<米国は好景気>

好景気は購買力が強いことを示し、物価が上がるのは当然、バイデン政権は好景気政策を続けており、一方、金融当局のFRBは景気を冷やす作業に入っている。

こんなんで物価が下がるわけはない。バイデン氏とパウエル氏がイタチごっこ、米国流にはトム&ジェリーの漫画の世界を2人で実演している。

 

5月の米国からの訪日客も新コロナ前の2019年5月より16.8%多い183,400人が訪れている。米国やリゾート地も米国人で盛況、ハワイも超円安もあり、もはや日本人は富裕層しか旅行できない地に化けている。飛行機代も回復し、ホテル宿泊代は高騰し、外食代も高騰している。それでも好景気ゆえに客が多い。

こうしたサービス産業の高騰・高止まりが続いている。

<不景気は商業用不動産業界と・・・>

不動産業は就業者の増加とともに賃貸住宅の不動産業界は好景気、

一方、商業用不動産はカルフォルニア州を筆頭に全土でオフィス空き室率が上昇、10数%~地域によっては25%あまりに達している。

空き室率の増加は、金利高で業績悪化企業と、新コロナ事態以降テレワークの拡大により、事務所を縮小している事業所が多いことによるもの。

こうしたオフィスビルに融資しているのは金融機関、元利金も支払えず、危機的状況に陥っている不動産会社も多いという。

金融機関はその貸付債権を流動化させ、投資ファンドに売却、投資ファンドはそうした商品をまとめて組成し販売しており、投資商品を購入した投資家に影響が出る可能性も高まっている。

 

<ほかの不景気業界は・・・>

電子製品業界は、新コロナ特需の一巡と、金利上昇に投資抑制に入った企業により業績低迷。(PCやサーバーのデルの前期の営業利益は半減している)

ソフト業界も生産者物価高や金利高で新規投資を抑制している企業を前に低迷している。製造業は金利高に影響される業種と関連する業種は低迷しているが、外食やサービス産業の景気拡大は続いており、こうした内需に対応した製造業の景気は良好、バラつきが大きい。
 米国では原油高も天然ガス高も現在は新コロナ前に戻っており、エネルギー依存型企業の生産コストは大幅に下がり業績を回復させてきている。

 


スクロール→

米国の各種バイデンインフレ率

 

基準

インフレ率

 

金利

全体

食料

外食

コア

家賃

サービス

エネ

21/1.

0.25

1.4

 

 

1.4

 

 

-4.5

21/2.

0.25

1.7

3.6

 

1.3

 

 

2.4

21/3.

0.25

2.6

3.5

3.7

1.6

1.7

1.60

13.2

21/4.

0.25

4.2

2.4

3.8

3.0

2.1

2.50

25.1

21/5.

0.25

5.0

5.0

4.0

3.8

2.2

2.90

28.5

21/6.

0.25

5.4

5.4

4.2

4.5

2.6

3.10

24.5

21/7.

0.25

5.4

5.4

4.6

4.3

2.8

2.90

23.8

21/8.

0.25

5.3

5.3

4.7

4.0

2.8

2.70

25.0

21/9.

0.25

5.4

4.6

4.7

4.0

3.2

2.90

24.8

21/10.

0.25

6.2

5.3

5.3

4.6

3.5

3.65

30.0

21/11.

0.25

6.8

6.1

5.8

4.9

3.8

3.77

33.3

21/12.

0.25

7.0

6.3

6.0

5.5

4.1

4.01

29.3

22/1.

0.25

7.5

7.0

6.4

6.0

4.4

4.58

27.0

22/2.

0.25

7.9

7.9

6.8

6.4

4.7

4.80

25.6

22/3.

0.50

8.5

8.8

6.9

6.5

5.0

5.12

32.0

22/4.

0.50

8.3

9.4

7.2

6.2

5.1

5.37

30.3

22/5.

1.00

8.6

10.1

7.4

6.0

5.5

5.74

34.1

22/6.

1.75

9.1

10.4

7.7

5.9

5.6

6.22

41.6

22/7.

2.50

8.5

10.9

7.6

5.9

5.7

6.25

32.9

22/8.

2.50

8.3

11.4

8.0

6.3

6.2

6.81

23.8

22/9.

3.25

8.2

11.2

8.5

6.6

6.6

7.37

19.8

22/10.

3.25

7.7

10.9

8.6

6.3

6.9

7.20

17.6

22/11.

4.00

7.1

10.6

8.5

6.0

7.1

7.20

13.1

22/12.

4.50

6.5

10.4

8.3

5.7

7.5

7.52

7.3

23/1.

4.50

6.4

10.1

8.2

5.6

7.9

7.60

8.7

23/2.

4.75

6.0

9.5

8.4

5.5

8.1

7.60

5.2

23/3.

5.00

5.0

8.5

8.8

5.6

8.2

7.30

-6.4

23/4.

5.25

4.9

7.7

8.6

5.5

8.1

6.80

-5.1

23/5.

5.25

4.0

6.7

 

5.3

8.0

6.30

-11.7

 


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