米科学振興協会の学術誌「サイエンス・アドバンシス」で8月30日の発表論文で、地質学者が米ネバダ州とオハイオ州の境にある古い大火山「マクダーミット・カルデラ」(約1630万年前から火山活動があった休眠もしくは死火山)で、世界最大規模とみられるリチウム鉱床を発見したと発表された。
地質学者によると、トーマス・ベンソン氏は、リチウムは火山活動により火山ガラスから溶け出してカルデラに蓄積、熱水濃縮作用により濃縮し、地表付近に溜まったものと見られるという。
長さ45キロに及ぶ火口には貴金属の粘土2000~4000万トン(時価換算では最大137兆円)が含まれているという。
これまで、世界最大の単体リチウム鉱床は、ボリビア(塩原/チリ・アルゼンチンも塩湖由来)にあり、埋蔵量が約2300万トンであると紹介した上で、今回、発見されたリチウム鉱床はこの埋蔵量を上回り、世界最大級の単体鉱床となるという。
また、世界のリチウム供給の構図をひっくり返す可能性を秘めていると説明した。
マクダーミット・カルデラで見つかったのはリチウム粘土鉱床「イライト」、濃度は1.83〜1.87wt%Li、南アメリカに分布するリチウム含有粘土鉱物であるマグネシウムスメクタイトの倍のリチウムを含有しているという。
2022年の電池用炭酸リチウム平均価格である1トン当たり3万7千ドルで計算すると、埋蔵資源の価値は1兆ドル(約147兆円)を超える可能性があるという。
以上、