欧米のインフレ退治の金利高に日本は全面降伏、一方、韓国は金利を連れて上昇させ、為替安を起因とする物価高を抑制してきた。ただ、金利高は5年で倍に跳ね上がったマンション価格=不動産バブルを沈静化させ、内需低迷の原因ともなっている。
日本はGDPに対する政府債務残高は世界に類例を見ない桁違いの264%、韓国は49.6%となっている。その大部分は国債発行残となっており、その国債保有は日本の場合、日本国内で消化=現在は政府子会社の日銀が所有し、外国勢に翻弄されない。一方、韓国は、発行残高は少ないものの外国勢の保有割合は高く、ほかの再建・証券の売買とともに為替変動を受けやすくなっている。また、韓国の主力産業である半導体企業の景気にも左右されている。
外国勢は、日本だけが膨大な政府債務残高に対して緊縮財政をとっておらず、世界基準から離れた治外法権政策を容認してきたが、2022年3月の露制裁から雲行きが怪しくなってきている。スイスフランとともに対ドルで強固な円だったが、スイスも遅れて金利を上昇させ、残るは円だけ。政府子会社の日銀の植田総裁が大金融緩和に1/1000ほど修正したものの、緊迫した中東情勢もあり(戦争ではドル高となる)、市場は反応せず、神田大明神も吠えなくなり、これまでの150円台の壁を崩壊させ、153円台に突入している。
韓国は半導体産業の景気によって為替も変動するが、台湾勢の台頭と米国のChips法により多くの工場誘致を実現、いよいよ半導体生産工場が操業状態に入ってくる。そうした現象が2027年まで続き、欧州も日本も内製化の動きとなっており、韓国勢の優位性は市場全体が急拡大しない限り、汎用性向けやAI製品向けに限られてくる。
韓国勢の主力のメモリ半導体は過去の歴史が示すとおり、山谷があり、2015年以降でも2回経験し、新コロナ特需喪失により一昨年夏にはピークを向かえ、それ以降は過剰生産、在庫を抱え、一昨年から11月(米マイクロンやSKハイニックス)から昨年3月(サムスン電子)までにメモリ半導体大手メーカーは挙って生産調整に入り、昨年秋には半導体不況は収束し、回復とするとされたが、新コロナ特需の影響やインフレ退治の金利高に設備投資が遅れ、AIブームもあり、今年に入ってやっと回復してきている。
ただ、中国の経済低迷は中国の国産化率引き上げもあり、加工品など中間財を中国へ輸出する韓国企業に大きな影響をもたらせている。
一方で、EVバッテリー用レアメタルの中国からの輸入は拡大し続けている。韓国で中間財に加工され、米国工場へ輸出されている。
スクロール→
対ドル
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円
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ウォン×10
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18/12.
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112
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111.5
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19/12.
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109
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116.4
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20/6.
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107
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119.8
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20/12.
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103
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108.4
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21/6.
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110
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113.0
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21/12.
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113
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118.7
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22/6.
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134
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129.8
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22/9.
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143
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143.9
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22/12.
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134
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126.0
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23/3.
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132
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130.6
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23/6..
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144
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131.5
|
23/9.
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149
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135.2
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23/12.
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141
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129.4
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24/1.
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146
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133.3
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24/.2
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150
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133.4
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24/3.
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151
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134.5
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4/15日.
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153
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138.4
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コロナ前比
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40.4%
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18.9%
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